第6話 百合先生の意外な一面
全ての授業が終わった。
俺は百合先生のことを探る為、早速職員室に向かった。
「百合先生ちょっとお話が」
「何ですか都辺くん…」
百合はくるりと椅子を回して空の方へと向きを変えた。
「ここでは話せないので別の場所に移動しましょう」
「万が一に備えて聞いておきますが、私に暴力を奮ったり、殺すとかではないですよね…」
「もちろんです」
俺はいつも以上に百合先生へと近づき手を引いた。
私の手に触れてくれたのは都辺くんだけ…
貴方の事を大事に大事にしますね…
「顔赤いですよ?」
「あ、なんでもないのよ気にしないでください…」
着いたのは屋上の扉の前だ。
屋上は立ち入り禁止だからここへ来る人もいない。
2人で話すのにうってつけの場所だ。
「百合先生って人を突き放す能力とか持ってますか?」
百合はびっくりした表情だった。
「え、あの、厨二病だったんですか!?」
「違います」
自覚なしの能力者か、本当に能力を持っていないのか
どっちなのか分からないな
「失礼な事を聞きますが百合先生って友達いないんですか?」
百合は優しくニコッと笑った。
「幼なじみであり親友の
百合先生が明るくなった
これは珍しいことだ
カメラに収めておこう
カシャッ
「ちょっと都辺くん…」
百合は空に近づき空のスマホを手に持った。
「校舎を出ていないのにスマホを使うなんて…下駄箱まで没収です…」
「あ、すみません」
どうやら百合は写真を撮られていたことに気がついていないらしい。
「都辺くんの話ってもう終わりましたか…」
「はい、もう大丈夫です」
「なら良かったです…」
空と百合は下駄箱まで一緒に降りていった。
その道中、空は百合先生が能力持ちではないと判断した。
それもそのはず、人を突き放す能力なら少なくとも長年一緒の友達なんて出来るはずないのだから。
「じゃあさようなら…」
「さようなら」
百合先生はお辞儀をして職員室の方へと歩いていった。
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