第3話 頼み事と消し方

学校の帰り道のことだ。

俺は友達の誘いまでも断って1人でスタスタと帰っていった。

なのに俺の後をつけてくる女がいる。

正体も完全にわかっている。

これは完全にストーカーだ。

俺は曲がり角を曲がり待ち伏せした。


タッ


「あ!」


「あ!じゃないぞ、全く」


「気づかれるとはな!」


そう笑ったのは転校生の朝だった。


「笑ってるところ悪いんだけどさ、やってることは犯罪だからね?」


空の言葉に朝は「ごめん!」と手を合わせて謝った。


「で、なんでついてきたの?」


「実は…」


朝は白いワンピースの少女に空に向かって指をさしながら「ついて行って。」と言われたらしい。

それを聞いた俺はまた小夜子を思い出した。


「それとね、その女の子がこれを渡してって!」


そう言うと朝はメモ用紙を渡した。

中を開けてみるとそこには次のことが書かれていた。



空へ


小夜子だ。

この前は勝手に帰ってごめん。

先に言っておくけど宙樹朝は能力者だ。

その能力はどんな時でも人助けをしてしまう能力で厄介な感じだ。

本人は自分が能力者であることに気がついていない。

だから空が伝えてくれ。

それと空の能力と反対の能力を持つ人がこの世に居るはずだから、その人を見つけて一緒に居ろ。

そうすれば両者とも能力が消滅する。

以上だ。



「何だよ、押し付けるのかよぉぉぉぉ!」


空は大きな声を出して叫んだ。


「どうしたの!?」


「大丈夫だ、何でもない」


空はそう言うと朝の手を引いて自分の家へと向かって行った。

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