第2話 転校生

「つまり、お前は俺のストーカーということか」


「違う。それと私はお前って名前じゃない。」


そう言うと顔をぷくっと膨らませた。


可愛いなこいつ


「じゃあ何だ?」


「フッフッフッ…私の名は星野神ほしのがみ小夜子さよこだ。」


何だ…

何だこいつ…

厨二病か?

だから変なこと言ってたのか


「何かツッコミ入れてほしかった。」


小夜子はそう言うと涙目になった。

空はそれを見て慌てていた。


「俺はその話を信じてないぞ」


「わかってる。だから今から不死を見せる。」


そう言うと小夜子は机の上に置いてあったハサミでお腹を刺した。

大量に血が出ている。


「おい、何して「ほら、ちゃんと見て。」」


よく見てみると傷口が徐々に塞がれていっているのがわかる。


完全に傷口が塞がった状態を見て固まってしまった空に小夜子が声をかける。


「ほら言ったでしょ?」


その言葉に空はハッとした。


「何か言って。」


「そうだな」


「信じる?」


「信じる」


空はまだキョトンとしていた。


ガチャ

バタバタ


誰かが家に入ってくる音がした。

空はドアを開けて声を出す。


「誰か帰ってきたのか?」


うみ帰還した!」


空の妹が帰ってきた。


「妹が帰ってきたみたいだ」


そう言いながら振り返るとそこに小夜子は居なかった。

風に揺られた白いカーテンを見た俺は小夜子の顔を思い出していた。



翌朝。

いつものように俺は学校に登校した。

まるで昨日の事が無かったかのように。

そう思うのも、昨日の出来事に証拠がないからだ。

あの時小夜子から流れ出た血は確かに床に垂れていた。

なのにそれすらも無くなっていたのだ。


「転校生を紹介します。」


ホームルームの時に担任の先生がそう言った。

俺はその言葉に期待した。

期待したからこそ転校生が全くの別人だった時の衝撃は凄かった。


「転校生の宙樹ちゅうじゅあさです!よろしくお願いします!」


茶髪でミディアムヘアのとても元気がある女の子だ。


「席は空の隣だ。」


そう言うと席を指さした。


タンタンタンタン


朝がこちらへ向かってきた。


朝は席に座ると、こちらへニコッと笑ってみせた。


「これからよろしくね!」

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