第6話 韓国―なぜか渡韓の度に全力ダッシュしてる①

 韓国、日本から一番近い国。私の大好きな国。KPOPが好きだから、というのはもちろんだが、ご飯もおいしいし、ショッピングも楽しい。ソウルしか行ったことはないが、とっても大好きな国。


 しかし、なぜか韓国に行くたびに、死ぬ気で走って、もしかしたら日本に帰れないかもしれないというシチュエーションに陥る。私にはそういう呪いがかかっているんだろうか?


 韓国には今までで3回行ったことがある。その3回全てにおいて、私は「やばい、飛行機乗り遅れるかも」と冷や汗をかいた。他の国に行ったときではめったにそういったことは起こらないのだが、なぜか韓国では百発百中だ。


 今回は、当日の様子、飛行機に乗り遅れそうになった原因、そしてどうしたらそれを防ぐことができたのか、を分析していきたい。これを読んだ読者の皆さんには私の二の舞になってほしくないのでぜひ参考にしていただきたい。


 一回目の渡韓。高校3年生の2月だっただろうか。

 推薦で進路がすでに決まっていた友人と2人での旅行だった。私は韓国旅行は初めてだったのだが、友人は小さい頃から何度も韓国に行っていたので、とても頼もしかった。


 初めての韓国。サムギョプサルを食べたり、KPOPの聖地巡礼をしたり、とても楽しい旅行になった。(正直なにをしたのかはあんまり覚えていない。)


 帰りの飛行機の時間も近づく頃、私たちはまだソウル市内にいた。国際線は2時間前には空港にいた方がいいので、逆算して考えるとそろそろ空港に向かった方がいいのでは、と思った私は友人にそう伝えた。

 すると友人。

「大丈夫だよ~。私、前にチェックイン締め切り10分前についたけど、大丈夫だったからさ~。」

「そうなの・・・?でも・・・」

「大丈夫大丈夫~」

 う~ん、と納得いかない気持ちもあったが、あまりにも友達が自信満々、悠々自適にそういうものだから、韓国は大丈夫なのかもしれない・・・とその友達の言う通りにすることにした。


 それから私たちはのんびりと明洞で買い物をして、韓国の空港鉄道A’REXに乗って空港に向かった。この時点で空港到着は離陸まで2時間を切る時間帯だった。鉄道の中で、私はちょっとドキドキであるが、友達はマイペースで余裕の表情。


 さぁようやく、空港に着いた!チェックインしよう!という時に、

「コンビニで買い物していい?ジュースとかパック買いたいから、チェックイン前に買わせて~」

マジ!?そんな余裕ある?!と、驚いたものの、せっかく韓国まで来たんだから、買いたいものを買ってほしい・・・そう思ったので、無理やり切り上げることもしなかった。


 それから少し時間がたった時、ふと時間をチェックすると、チェックイン締め切りまで残り5分。さすがにガチでマジでヤバい時間になった。

「あと5分だよ!会計しよ!!」

「え?!まじ!?残り5分!?やばくない??!!」

 友達の顔から一気に血の気が引いたのが分かった。私は心の中でほらみたものか、とちょっと意地悪な気持ちになりながらも、とにかく必死に走った。人込みを潜り抜け、日常ではほとんどすることのない全力ダッシュである。50メートル走新記録だったんじゃないかと思うほど。


 仁川国際空港はアジアのハブ空港。本当に縦にも横にも広いので、ちょっと走ったくらいでは目的の場所には到着しない。それに加えて、LCCなので、チェックインカウンターははじっこに追いやられている。


 私たちは全力疾走した。妹の結婚式帰りのメロス並みに走った。チェックインできなければ、日本に帰れない。さっきまで韓国にずっといたい~とか言っていたのに、いざ帰れないかもしれないとなると、日本に帰りたくて仕方がない。


 チェックインカウンターについたのは、締め切り3分前を切っていただろうか。人もまばらでまもなく締め切るよ~という雰囲気が漂っていた。なんとか滑り込みセーフで間に合った私たち。韓国旅行の思い出が全部これになったしまうくらいに、絶体絶命な経験をした。というか、今振り返っても、もう本当にこの記憶しかない。その後どんな会話を友達として、日本に帰国したのか・・・なんて一個も覚えていない。


 こういった経験があるおかけで、ちょっとやそっとの事では動じなくなったような気がする。日本本土の旅行に置いては、「まぁ、乗り遅れても、歩けば家に帰れるし」なんて思ってしまうレベルになった。


 とにかく皆さんにお伝えしたいのは、「国際線は2時間前、できれば3時間前には空港にいろ!」ということだ。海外というのは、やはり日本と言葉も勝手も違う。いくら行き慣れた国だからといって油断してはならない。旅行中の計画がめちゃくちゃでも構わないが、空港に居なければいけない時間をしっかり把握し、それから逆算して、楽しい旅行を切り上げるようにしなくてはならないのだ。


 これをきっかけに「次はしっかりと時間を守って空港にこよう!」と心に誓ったのだが、これから複数回同じようなことを繰り返してしまうことになるとは、この時の私は知る由もなかった。


次回「空港で友達と離れ離れ!?一人で帰国か、涙のLCC!」こうご期待!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る