第12話 無双する俺様は何気に強い………いや?
「ギャアアア!!」
「ギャアギャアうるせえな。」
門番のようなゴブリンを駆け抜け新しい相棒であるミスリルの大剣を振り抜いた。
大剣は地面にぶつかると小さなクレーターが出来て門番ゴブリンもそのクレーターのように大剣に潰される。
「ごめんな?お前なんかに時間は使ってられねぇんだ。」
コロニーの中は小さな集落のように藁や太めの木等で最低限生物が住めるような物が点々とあり、正面にはこのコロニーのボスであろうゴブリンキングが一際大きな小屋モドキに座っていた。
椅子にしている物はゴブリンやホブゴブリンが積み重なっている死体なのが趣味悪い。残虐性もあり出来たばかりのコロニーなのにゴブリンキングになる程の進化を遂げてるのはそれだけのゴブリン、魔石を食べたからだろう。
バイオがホブゴブリンの魔石を食べて潰した理由はここにある。ゴブリンからホブゴブリンに進化させる時はゴブリンの魔石でも良いが、それ以降。
つまりホブゴブリンから進化をさせる時にホブゴブリンの魔石を食べさせて進化させるとゴブリンキングで進化が終わってしまうのだ。
ゴブリンキング単体で考えるなら強いモンスターなのは間違いない。が、俺はゴブリンキングが好きじゃないし、それ程度で成長しなくなるならゴブリンキングにする意味があまりないのだ。
だから自然に出来るコロニーのボスはゴブリンキングなのは比較的多いがこのコロニーは最近出来た筈だ。
それなのにゴブリンキングに進化するというのは可笑しな話である。ゴブリンからホブゴブリンに10体。そしてソコから進化させるのに100体。そしてゴブリンキングに進化するまでには1000体、そして10000体が必要だ。
何かキナ臭いし早く終わらせよう。
ギガン以外のゴブリン達は俺の後ろを着いてくるように指示してコロニーの中へと進んでいく。ギガンはゴブリンキングだけに集中させたいからまだコロニーの中には入らせないまま遠目で待機させていた。
「お前の命を貰うぞ!!」
真正面に大将がいるんだ。狙わない訳がない。
「ギョア!ギョア!ギョア!」
しかし、ゴブリンやホブゴブリンが俺の前にたちはばかり行く手を遮ってくる。
数にすれば有に100は越してるがそんなんで俺が止まると思うなよ?
ミスリルの大剣を左右に振り被ると目の前にいるゴブリン達は軽々と吹っ飛んでいく。
「どりぁあああああああ!しゃあ!ふっ!!
ウリャウリャウリャアアアアア!!!」
目の前にいるゴブリン達を大剣の一振りで叩き潰していく。剣と言っても物が大きいので引裂くというよりは叩き潰すが正解な光景だ。
10メートルはゴブリンの潰れた道が出来上がった。
「お、ゴブリンソルジャーにゴブリンナイトか…
本当ならゴブ達に残しときたかったん………
………んだけどなあああああ!!!」
ゴブリン達を着々と潰してるとホブゴブリンからの進化系である【ゴブリンソルジャー】【ゴブリンナイト】の集団がゴブリンキングの進行方向に立ちはだかる。
久々にあれやるか
「ギガントインパクトォオオオオオ!!!」
コイツらは普通の攻撃じゃ耐えてしまうかもしれない。
俺は【ギガントインパクト】のスキルを発動した。
【ギガントインパクト】所持してる武器にオーラをまとい衝撃波を発生させる。武器の大きさ、強度、そして元の威力が強ければ強い程に衝撃波の威力も上がる。
自慢じゃないが今の俺の攻撃力はそんじょそこらの奴等とは違う。
以前に戦ったタイラントドラゴンのブレスにも匹敵する一撃だ。
アイツのブレスの一撃は俺のゴブリン達。その時の精鋭の二群のゴブリン達が一瞬で消し炭にされた。
それも100体はいたゴブリンで、このコロニーのボス。ゴブリンキングと同程度の進化を遂げた奴等だった。
奴等を一撃で屠るタイラントドラゴンは強敵だったな。
そんな強敵の一撃を普通の人間の俺が繰り出すのもそう簡単なことではない。
腕が軋み、腕の血管がブチブチと切れる音がする。歯を食い縛り過ぎて奥歯がすり減りそうだ。
鬼人化だけでも痛覚は麻痺するがそれだけじゃダメだ。【バーサーカー】のスキルも発動して何とか痛みを誤魔化してギガントインパクトの一撃を発動する
バーサーカーのスキルも発動してしまったので体の負担がヤバい。
雑魚のゴブリン達はこの一撃で大体は倒せただろう。
しかしゴブリンキングの相手は難しいかもしれないな………思ったよりも体の不可がヤバい。
ギガンは最低でも残しときたいから、他のホブゴブリン達を突撃させて気をそらしながらならいけるか?
ゴブリンキングも無傷では済まないだろうからダメージ次第では特攻して、俺ももう一踏ん張りすれば………って。
「………ん?」
ギガントインパクトに全身全霊を掛けて放ったので全てのスキルが解除されてしまった。
常時型のスキルは別だがもう発動型のスキルは1つも使えない状態だ。
「………久しぶりに本気の一撃だったな!」
これでゴブリンキングが無傷ならヤバいだろう。ギガン以外はホブゴブリンだし、今の俺も満身創痍だ。
「体全体が痛くて動くのも辛い………こんなに過酷な戦いになるとは………。」
このコロニーのゴブリンは俺の最強の一撃で全滅させることに成功した。
「ギガアアアアアンン!!お前もこっちこおおおい!!」
「ギョ………ギョオアアァ………。」
ギガンは俺の呼び声に反応して俺の場所までトボトボと歩いてやって来た。その姿は何処か小さく見えるのは気のせいじゃないだろう。
「いやあ!凄い一撃だったな!?お前もそう思うだろう!?」
「グギャアァ………。」
「お!如意斧があんなところに!!ギガン!!あれを持ってきてくれるか!?
ちょっと張り切り過ぎて動けないんだ!!」
ギガンはギガントインパクトで飛ばされてしまった如意斧を取りに行く。
「いやあ………
やり過ぎた。」
強いと思っていた俺の一撃は遠く離れていたギガンと
「またやり直しか。」
クローンウエポンという耐久力のある武器以外を
「まぁ、クローンウエポンとギガンがいるからまだましか!!」
キレイサッパリと消し炭にしてしまう程の一撃だった。
「ちょっと強すぎたな………
………よし!またゴブリンを探しに行くぞおお!!」
敵も味方もキレイサッパリと無にかえしてしまったのだった。
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