第10話 失敗した俺様は過去から学ぶ



「本当に残念だ………。」




バイオだった場所から魔石を拾うとレッドキャップの魔石を食べさせた個体のクロ………レッドキャップのように進化させるつもりなのに黒は可笑しいか?まぁ良いか?





クロじゃない個体にバイオの魔石を食わせた。



どの個体でも良いんだけど、アカもレッドキャップの派生にさせた方が分かりやすいし、アオにするか?



「アオ?お前がバイオの魔石を食べて良いぞ?」



「ギ…ギョオァァ…」


「なに?やなの?」


「ギョアアア!!!ギョアアア!!」


「よしよし。喜んで貰えたようで何よりだ。お前らは勝手に魔石は食べちゃダメだぞー?こっちも色々考えなきゃいけないんだからな?」



「「ギョオア!!」」






ゴブ四体にはレッグスさんから貰った武器と防具屋からも貰った防具を渡したが、貰った物の性能が良い。


アカとアオは棍棒術のスキルを付与したので棍棒を渡したが、その棍棒は木で出来てるのではなく鉄で出来ている棍棒で先端が丸くなっていてその丸い部分に刺々が付いている殺傷能力の高い棍棒だった。



クロとシロは格闘術のスキルを付与したのでナックルを渡そうと思ったが武器の中にナックルに獣のツメのような刃物が4つ付いてる武器を発見した。


パンテラという種類の武器だった気がするが、俺はこの武器をクロとシロに2つずつ装備させた。



防具は動きを阻害しない皮の鎧を渡したがこの皮がどうやら【ロックリザード】というモンスターの皮の鎧だったのだ。



ロックリザードはベテランの中堅冒険者が行くようなダンジョンにいるモンスターでこの鎧も買えば良い値段がする。


そんな高価な鎧を四体のホブゴブリンに装備させた。



「これで準備は万端だな。コロニーを探しに行くか。」




俺達は森の中へと進んでいった。




「グギャ!!」



「ギャアアア!」



森の奥へと進んでいくと野良のゴブリンに遭遇した。ゴブリンの数は二体。武器すらも持っていない。




「おい。殺すなよ?傷付けずに拘束しろ。」



「「ギャア!」」




二体いたゴブリンはたちまちホブゴブリン達に拘束され地面にひれ伏している。



「テイム。」




出会って早々にゴブリン二体をテイムすることに成功した。


それから何度か見回りのゴブリンに遭遇してテイムをし続けた結果、20体のゴブリンのテイムに成功した。


その間にホブゴブリン以上のゴブリン種には遭遇していないが、元々この森にはこんなにもゴブリンがいたということはない。


コロニーが出来てるのはほぼほぼ確定だろうけど、そのコロニーが最初に思ってたよりも大きな物であるのも可能性は高いな。



「コロニーに着く前には【二段階目】には進化させときたいんだけど………ゴブリンしか出ないとそれも難しいんだよな。」



ゴブリンからホブゴブリンに進化するには色々なやり方があるが、1番手っ取り早いのが【ゴブリンの魔石を10個食わせる】だ。


他のモンスターでは試したこともないがそもそもがモンスターに魔石を食わせるという発想が常識ではない。俺からしたらエネルギーの塊である魔石を食べれば強くなるんじゃないか?ということで最初は食べさせてみたらなんか進化した………という感じだったが色々と知見を学び、勉強をしてもそんなやり方は載っていなかった。




【人間が魔石を食べたら】どうなるのかなんていうのも皆考えないんだろうな。



「というかゴブリンの数が半端ないな!この調子でドンドン来い!」





沢山ゴブリンがいても仕方ないと思い、テイムしたゴブリンは20体にしてそれから遭遇したゴブリンは倒しているが数が半端ない。



コロニーのボスは俺達に気づいたのか続々とゴブリンがやってくるのだ。



そのゴブリン達を倒していると100体以上をあっという間に倒してそのゴブリン達から魔石を取り出し新たに10体のホブゴブリンに進化させることに成功した。





それからもゴブリン達を倒していき新たなゴブリン20体全てをホブゴブリンに進化させることが出来た。



「この20体の中に良いのがいれば………」




進化させたホブゴブリン達に鑑定紙を使いスキル保有上限数を調べていく。



「うーん………思ったよりも少ないぞ。それにスキル1つは初めてだな。」




20体のホブゴブリンを調べると………



●スキル保有上限数●


スキル1つ 1体

スキル2つ 2体

スキル3つ 15体

スキル4つ 2体







………という結果になった。いつもだと五体に1体はスキル4つとかいるのに今回は二体だけ。いないよりはマシだけど、ちょっとがっかりだ。





そしてスキル2つは所謂【落ちこぼれ】だ。今までにも何回もスキル保有上限数が2つのホブゴブリンがいたがそいつらはあまり強くなることはなかった。この2体はさよならだな。




「それよりもスキル1か………見た感じ他のホブゴブリンと同じなんだけど………どうしよう。」





スキル保有上限数が1なのは普通ならハズレ中のハズレだろう。だけど俺の【直感】がこのホブゴブリンは手元に置いてた方が良いと思っている。



「巨大化の…


…いや、【巨大】のスキル使ってみるか?」




ユウから貰った報酬に【巨大化】と【巨大】の2つのスキルの宝玉があったがまたもや俺の直感が巨大のスキルを付与しろと言っている。



【巨大化】発動すると体が大きくなりそれに見合った身体能力になる。



【巨大】常時体が大きくなり、それに見合った身体能力になる



スキルを発動すると巨大化するか常時巨大なままなのかのスキルなんだが、このスキルは1,5倍ほど体が大きくなるスキルで強いんだが、どうせならスキル4つとかそれ以上の個体に持たせたいスキルだ。




スキルが1つしか持てない個体に付けてもなあ………






「………元から無かったと思ってやってみるか。


よし、お前の名前は今からギガンだ。ギガン、これを使え。」



「ギョウア!」



そう言って【巨大】のスキルをギガンと名付けたホブゴブリンに渡し、ギガンはスキルを付与された。





スキルが付与されたギガンは巨大のスキルの効果を得てすぐに大きく変貌する。







「………大きすぎないか?」




巨大のスキルを得たギガンは俺の想定よりもはるかに大きくなったのだ。



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