第3話 仲間を従えた俺様は従えた仲間を減らされる
「順調だな。………というか多すぎないか?」
それから森を一時間以上探索した俺は次々と遭遇するゴブリンをテイムしていく。
なんとその数は30匹以上。あまりにも順調にテイム出来て恐くなってくる。
それからコロニーを探してると続々とゴブリンをテイム出来てしまい100体近くのゴブリンが俺の後ろを着いてきている。
そもそもが徘徊してるゴブリンが多すぎるぞ!こんな数のゴブリンが徘徊してるということは思ったよりも大きなコロニーなのかも知れない。
それかコロニーから出ていくゴブリンが帰ってこないから追加で見回りを増やしてるだけか?
それなら上位種の個体が現れても可笑しくないと思うんだけどな。そんな気配もな………
「………いと、思ったら現れたな。」
「ギョオオオオオオオ!!」
森を探索してると現れたのは三体のゴブリンの上位種だ。
2体はゴブリンから進化すると良く見られる【ホブゴブリン】
ホブゴブリンはゴブリンが大きくなり7歳の子供が14歳位大きくなったように成長したゴブリンだ。
ゴブリンと比べると知能も力も大幅に強化されていてどちらも棍棒を持っている。
「ホブゴブリンならゴブリン達で倒せるな。問題は………レッドキャップか………
………マジか。」
そしてもう1体はホブゴブリンから進化する上位種の【レッドキャップ】
レッドキャップはゴブリン程度の大きさしかないがホブゴブリンから進化するゴブリンの中でも上位のゴブリン種だ。
頭には赤い頭巾のような物を被っていて足の筋肉が鳥モモのようにパンパンに膨れている。
レッドキャップというモンスターは単純にスピードが早いし攻撃力も半端ない。そして何よりこの個体はナイフを持っている。
まずいな。進化したばかりのレッドキャップだとしても普通に戦ったら俺が殺られちゃう可能性も出てくる強敵だ。というか俺今何も武器持ってないよ?ナイフ持ってるのズルくない?
レッドキャップは小さめの武器を持つのが多いが、本当の驚異になるのは両手に武器を持ってからだ。この個体は1つだけだからまだ勝てると思うんだけど………
どうしよ?
敵のレッドキャップ達は数が多いからなのか、元は仲間だった筈のゴブリン達が知らない人間に従えてるからなのかこちらの様子見をしている。
まぁ雑魚なゴブリンだとしても数が数だしな。それにレッドキャップは俺を【1番の敵として認識】してるし経験も色々積んでるんだろう。
どんなスキルを持ってるかも予想は出来るけど確実じゃないし………
「んー………しゃあないか?
ゴブリンたちいいいいいいいいい!!
ぜんいんんんんんんん!!!
とつげきぃいいいいいいいいいいい!!!!!」
「「「「ギョアアアアアアア!!!!」」」」
普通にタイマンなんてしてられるか。テイムしたゴブリン達がホブゴブリン2体とレッドキャップに雪崩のように襲い掛かる。
「「グギョ!?」」
雪崩のゴブリン達にも負けずレッドキャップはゴブリン達を流れるような動作でナイフを使いドンドン倒していく。
一撃一殺。ゴブリン達は次々にレッドキャップに殺られていくがそれでも数は驚異だ。その雪崩のようなゴブリン達にレッドキャップも圧倒されている。
ゴブリン達にはレッドキャップに掴み掛かれ。掴んだなら何がなんでも離すなと命令してるからか足元にしがみついたり背中から抱きついたりするゴブリンもいてレッドキャップも徐々にゴブリン達に拘束されていく。
ホブゴブリン?ホブゴブリンはゴブリンの雪崩に飲み込まれとっくに倒されている。
「それにしてもやっぱりレッドキャップは強いな………あの数に対抗できてるよ。」
しがみつくゴブリンがいても関係なくレッドキャップに襲いかかってくるゴブリンをナイフの一撃で倒してる。ナイフからは考えられないような傷痕のゴブリンを見ると【カマイタチ】か【斬撃波】のスキルを持ってるのは確定だ。
そして【強化系】のスキルも持ってるな。まだ使いなれてはいないのか動きはぎこちないし、スキルを多用してるからか動きも遅くなっている。
スキルは使えば体力が消耗するし慣れてなければ尚更だ。このレッドキャップはそこまで強敵と戦った訳でも連戦するような機会はあまりなかったんだろう。
そして後ろのゴブリンにも対処できてるのを見ると察知系のスキルを持ってるのも確実だ。
そうなると最低でも3つのスキルを持ってることになるが、俺がタイマンで戦ってたら無傷では済まなかった。
他にも【鬼人化】や【バーサーカー】とかのスキルを持ってるレッドキャップも今までには遭遇したことはあるが流石に町の近くの森にいる個体でそんなに強いスキル持ちはいる可能性は低いだろう。
「ギョ………ギョオオア!」
「………そろそろか?」
強敵のレッドキャップの動きも鈍ってきた。体力もそろそろ限界に近いんだろう。
気配察知していても後ろからのゴブリンに対応出来ていない。
後ろから掴みかかったゴブリンを振り払おうとしてレッドキャップは俺に背中を向けるように振りはらった。
待ちに待ったレッドキャップの隙がやってきた。
「きた!!今だ!!」
ゴブリンが沢山突っ込んで来ても俺には意識を向けていたレッドキャップが初めて俺から意識を反らした。あのゴブリンは今回の功労賞だな。生き残っていたら強くしてやろう。
背中を見せた瞬間に【稀薄】と【忍び足】のスキルを発動するとレッドキャップへと駆け出す。
勝負の時がきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます