第4話 やりたいことは? 2/3

 そんでもって、6月にあった武道館での『1周年記念ライブ』は不参加。


 このまま休養に入っちゃうんじゃないか、って心配されていた中、結は単独で韓国の音楽番組に出演し、ヨジャドル――韓国の女性アイドル4人とスペシャルコラボを披露した。


 いやあ、あのときの結、滅茶苦茶輝いてたな。


 グループにいるときよりも楽しそうだったし。


 コンセプトが『華やか』な花筏はないかだでは、結は基本的にロングスカートかフィッシュテールスカートの衣装だけど、あの時はブラトップにパンツスタイルという露出度の高い衣装だった。


 似合ってたし、なによりパフォーマンスが最高だった。


 普段から韓国人のメンバーと一緒にいるからか、韓国語は完璧。


 初めて披露したラップ、安定して綺麗な高音。


 大反響でした。韓国のファンから『韓国でグループ組んでほしい』『韓国でやっていくべき』って褒められてたし。


 でもねえ、批判もあったのよね。


 その直後――7月に発売された6枚目のシングルの歌番組は不参加だったから。


 プチ炎上してました。『グループはどうでもいいのか』って。


 馬鹿なのかな。そんな訳ないじゃん。


 グループで一番人気があるのは結。一番批判を受けるのも結。


 センターとしてどれだけのものを背負ってきたか、全然知らないヤツがうだうだ言うな。


「……ぃ……光?」


「あっ、ごめん。やりたいこと思いついた?」


 マジでごめん。


 貴女は私の大切な友人であり、推しだからさ、ステージで輝いている結を思い出しちゃってた。


 目の前の素の結を置き去りにして。


「うん。あのね、お揃いの髪型にしたい」


「……はい?」


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