第308話 王都に居なくて良い気もしますがまだ居ます
王都別邸の中庭、
僕はソフィーさんベルルちゃんと一緒に、
とあるレッスンを受けていた、その講師は……!!
「はーい、ではまず杖を水平にして前へ出してくださーーー!!」
「はい、ベルベット先生」
言われるままベルルちゃんの出してくれた杖でやってみる、
ソフィーさんもベルルちゃんも両隣でごっつい杖を……
窓からはエスタさんアンナちゃんが母娘で見学している。
「では目の前のその杖は、もう動かない物だと念じてくださー!」
「うん、これは動かない動かない動かない……」
魔法はイメージだ、みたいな事を聞いた事があるが、
実際は無詠唱でやっているだけで本人の魔力による所が大きい。
「では、それにぶら下がってみてくださいまーーー!!」
何事もなくやってみせるソフィーさんベルルちゃん、
これ見ると僕も余裕でやれそうだな、とやってみるが……
スッテーン!!
「いででで」
「ミストくん、ちゃんと魔力は練っていますか?」
「一応、ミスト様の魔力でもしっかりイメージすれべできるはずですわ」
仰向けで転んだ背中やお尻に回復魔法をかけてもらう。
(おっかしいなあ、ちゃんと魔力を杖に込めたんだけれども)
「はーい、では今度は杖にまたがってみてくださー!」
とまあこうしてベルベット先生による浮遊魔法のレッスンをみっちり受け、
つきあってくれたソフィーさんベルルちゃんのおかげで、数秒程度ならば、
杖にぶら下がっているようなそでないような、という感触を感じる事が出来た。
(つまり、まだ浮けてはいません!)
「……はーい、今日は以上でーー!」
「あっ、ありがとうございました、ベルベット先生っ!」
「毎日の鍛錬を忘れないでねー、りょーしゅさまもいちおー、魔法使いでーー!!」
うん、いくら僕がソフィーさんベルルちゃんの繋ぎ役程度といえど、
その僕が魔法の鍛錬をまったくしなくて良い訳じゃないのはわかっている、
あらためてこういう課題が貰えた事を、嬉しく思うくらいでないと。
「ソフィーさんもベルルちゃんも、ありがとう」
「ミストくん、これに関しては私の魔力で浮かせる訳にはいきません」
「ミスト様が自力で浮けるようになれば、これ程嬉しい事はありませんわ」
地味にプレッシャーをかけられる、
でもまあ結婚式までにやれとか言われてないし、
結婚してからも毎日毎日続けていれば、ひょっとしたら……50年後くらいには!
「それにしてもソフィーさんベルルちゃんって結構浮けるんですね」
「私達の場合は魔力調整が難しいので、それで少し手間取っています」
「それでも結婚式までには自由に飛べるように整えますわ、ミスト様はマイペースで構いませんわ」
と話していると中庭にリア先生が入ってきた。
「ミスト、何か訓練中か」
「あっはい、でもたったいま終わった所で」
「良かった、客人だ、一気に連れてきた」
やってきたのは僕の学友、アレグとメイソン!
その後ろでぞろぞろやって来たのは何だろう、
貴族のファミリーっぽいけど何か違和感が、あと多いな。
「アレグもメイソンもひと月ぶりかな、あとは……」
「私が説明しよう、帝都で我々のスパイをしてくれていたあちらの貴族だ」
あー、違和感の正体はこれか、他所の国の貴族、帝国の貴族っていう。
「実はミストの学友の家に、帝国の貴族と繋がりを持ってもらってな、
水面下で色々と情報を流してもらい、その引き換えに一時的にこちらで保護する事になった」
だいたい五家族くらいだろうか、執事やメイドも一緒っぽい。
「という事で帝国が音を上げるまで王都とフォレチトンに別れて住んで貰うのだが」
「あーはいはい、ここで良かったらお使い下さい」「良いのか」「僕は構いません」
空家みたいなものだし、
そもそも王都で用事がある時用の屋敷っていっても、
転移テントがあるからなぜここで待機しないといけないか? って今でも僕は謎に思っている。
「さすがミスト、物わかりが良いな、そのついでに頼みたいのだが」
帝国貴族の中から重病人が運ばれてくる、しかも三人も。
(ああ、そういうことか)
「ソフィーさん、ベルルちゃん」
「わかりました、ではフォレチトンへ」
「ついてきていらっしゃいませ」
転移テントで一部の貴族を連れて行ってしまった。
(ええっと、僕はっと)
「ミスト!」「俺たち頑張ったんだぜ」
アレグとメイソンが褒めてくれって感じでうずうずしてる。
「うん、僕のために、ありがとう」
「いやいやアルドライドのためにだよ」
「だから王様に、国王陛下にアピールしておいてくれよ!」
あーうん、一応言っておこうかな、
言うタイミングがあればだけれども。
「りょーしゅさまー、このおかたがたはー」
「あっ、僕の学院時代の同級生、同じクラスだったアレグとメイソンだよ」
「ミスト、この少女は」「おいおいミストまで妹属性に目覚めたか?!」
いや一緒にされたくは、無い。
「はじめましーー、ベルベットでーーー!」
「こう見えてミストシティにある、合同教会の総司教だから」
「あー、あの見るのにすんげえ時間かかった」
「きっらきらの女神像の! こんな子が居たんだ」
むしろ会ってなかったのか、まだ。
「アレグさーん、メイソンさーん!」
「お、おう」「どうしたどうした?」
「……りょーしゅさまを、これからもー、よろしくおねがいしまーーー!!」
(なんでベルベットちゃんがお願いするんだ?!)
謎の保護者目線で挨拶された
だめ貴族だもの。 ミスト
「さあミスト、残りの帝国貴族をとりあえず休ませる、案内してくれ」
「あっはいはい、ではまずはこちらへ」
……相変わらず知らない所で、色々と頑張ってくれてるんだなぁ。
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