Google Bardの困ったクセ【後編】

 今回も前回に引き続き、私が『Google Bard』を動かす中で遭遇した「厄介かつ困った現象」をお話していきます。


【Google Bardの困ったクセ12: Chromeの自動翻訳の事故なのか「意味不明文」が山と出る】

「Google社製」同士であることから相性の良い、『Google Bard』と「Chromeの自動翻訳」。

 しかし、何がどうしたのか、「翻訳事故としか思えない意味不明文」が「山と生成される」ことがあります。


 もちろん、この現象も「チャーリー」こと『Chat GPT』でも起こります。

 ですが、『Chat GPT』では起こり得なかったような「意味不明文」が「じゃんじゃん表示される」んです。


 やはり、「生成AIの文章の野放し」は思い止まるべきでしょう。


【Google Bardの困ったクセ13: 直前までの生成内容を引きずる】

 生成AIの困ったクセには「直前までの生成内容を引きずる」というものもあります。

 このクセは、これまでのものに比べれば「かわいい」ものですが、このあとに紹介する「キャラのすり替わり事故が多発する」という厄介現象にも繋がってくるので、見過ごせないと言えます。

 

【Google Bardの困ったクセ14: キャラのすり替わり事故が多発する】

直前までの内容をなぜか大事にしたがる生成系AI。その結果、発生するのが、「キャラのすり替わり」という「事故」です。


 これも「『Chat GPT』でも起こり得るもの」ですが、『Google Bard』では「『Chat GPT』以上の高頻度で起こり」ます(苦笑)


 この現象が起こった場合は「致し方ない」と思って笑って済ませましょう。


【Google Bardの困ったクセ15: 「お鍋の中から出てきたインチキおじさん」的な謎人物が突然出てくる】

 「キャラのすり替わり」と同じくらい迷惑な現象に「『お鍋の中から出てきたインチキおじさん』的な謎人物が突然出てくる」というものがあります。


 これも「『Chat GPT』でも起こり得」ますが、起こると話の展開がかき乱されるので厄介です。


 とは言え、これも「致し方ない」ので、「またやったな、お前。しゃーねぇなぁもー」と笑ってやりましょう。


【Google Bardの困ったクセ16: 人間の倫理道徳を無視した内容を生成する場合有】

 生成AIの作り出す文章には時として「人間の倫理道徳を無視した」内容が生成されることがあります。


 確かに生成AIのページには、

 

 ・ChatGPT は、人、場所、または事実に関する不正確な情報を生成する可能性があります。

 ・Bard で生成される情報は不正確または不適切な場合がありますが、Google の見解を述べるものではありません。


などの但し書きがあります。


 しかし、自身の作り上げたキャラクターが「堂々と犯罪行為をしているところを見せられる」のは、気持ちの良い話ではありません。


 「生成させた内容が不適切」だった場合は、生成AIに「きっちりと」しつけを施していきましょう!

 

【Google Bardの困ったクセ17: 「てにをは」も苦手】

あらゆる文章をサラサラと書き表してくれる文章生成AI。

 そうは言っても、「てにをはが苦手」というかわいい一面もあります(苦笑)


「意味不明な文章が出たと思ったら、てにをはが間違っていた」ということも少なからずあるため、やはり、「生成済文章の未チェック」は「褒められた話ではない」でしょう。

 

【Google Bardの困ったクセ18: 「バカの1つ覚え」な生成文が続く場合有】

「『Google Bard』固有の困ったクセ」としては、「バカの1つ覚え的な生成文が続く場合がある」が挙げられます。


 どういうことかと言うと、下記のような文が複数回続けて生成されることがあるんです。


【バカの1つ覚え文の例】

彼は○○した。

彼は△△した。

彼は□□ した。


「☆♡♪♯♭」と○○

「¥$€£」

「%°′″℃」と○○

「○△□」

「◇◎■●」と○○


「小学1年生の作文かよ⁉︎」と思った方、鋭いです。

まさにそのレベルの何かが起きてしまっています(苦笑)


そのため、この現象に気付いた時は、「苦手な作文を一緒懸命頑張って、ういやつじゃ」と生暖かい目で見てやりましょう。


【Google Bardの困ったクセ19: 困ったらなぜか「アイスクリームを食べに行く展開」になりがち】

「『Google Bard』固有の困ったクセ」には「なぜか突然『アイスクリームを食べに行く展開』が発生する」というものもあります。


「それ、困ること?」と思うかもしれませんが、「全く無関係のところに謎の転換を突っ込まれ」ては、「迷惑なことこの上ない」と言えます。


 それにしても、なぜ「アイスクリームを食べに行く」んでしょうか?

 まさかの「『ヨホホイ』的な何か」なのか?


「ヨホホイ」というのは、2021年3月7日〜2022年2月27日まで放送されたスーパー戦隊シリーズ第45作『機界きかい戦隊ゼンカイジャー』で登場した6番目のヒーロー・ツーカイザーことゾックス・ゴールドツイカー(演: 増子敦貴ましこあつき)の口癖です。


 このツーカイザーことゾックスは、登場の際に「『ヨホホイ ヨホホイ ヨホホイ ホイ』というフレーズで始まる自身のテーマソングを口ずさみ踊る」というなかなかミュージカリーなキャラクターなのですが、制作側の後付け設定では、「ヨホホイ・ダンスの尺の長さでその回のおおよそのシリアス度が分かる」とされていました。

(https://www.toei.co.jp/tv/zenkaiger/story/1226977_3141.html)


 ということは、「アイスクリームを食べに行く」ことは、「そういうことをできるだけ世界は平和だぞ」という意思表示でしょうか?


 とは言え、何の脈絡もなくこの手のことをされるのは厄介なので、こうしたことも把握しておきたいと言えます。


【Google Bardの困ったクセ20: 「プロットからの生成」を投げ出す場合有】

「『Google Bard』固有の困ったクセ」には、「プロットからの生成を投げ出す場合がある」というものも見られました。


「トンチキでポンコツ」と悪評しまくっている「チャーリイ」こと『Chat GPT』では「このような事態は一切ありません」でした(苦笑)


 私も「たった2回だけ」しか遭遇していませんが、起こると腹立たしいことに変わりはないので、警戒しておくに越したことはないでしょう。

(※日本語での入力も可能になって以降は、「かなり遭遇」しました(苦笑))


【Google Bardの困ったクセ21: 「兄弟姉妹関係」の訳が乱れがち】

指示文プロンプトを「英文でしか受け付けない」『Google Bard』。

 その結果、「『兄弟姉妹関係』の訳が乱れがち」という地味に迷惑な現象も起こります。


 おそらく「英語圏は歳の長幼を重んじない」という文化だからだろうとは思いますが、「長幼の序列を重んじる文化圏の人間」には、「迷惑なことこの上ない」話だと言えます。


 実際、かの有名な『ハリー・ポッター』シリーズでも「エバンズ姉妹の長幼問題」として知られる「結局どっちが年上やねん!」という訳のブレがあります。

 (※ 2 『ハリー・ポッター』シリーズの日本語版訳者の松岡祐子まつおかゆうこ氏は、『賢者の石』の翻訳の際に、「ペチュニアを姉、リリーを妹」とした。しかし、原作者のJ.K.ローリング氏とやり取りを重ねる中で、「ペチュニアは妹よ!」と教えられたので、『アズカバンの囚人』以降は「リリーが姉、ペチュニアが妹」で通した。しかし、真相は「ペチュニアが姉」が正解だった、とされる)


 そのため、『Google Bard』に「長幼の順に意味のある文章」を生成させた場合は、「それがあっているか」も確かめておきたいと言えます。

(※日本語対応によって問題は解決されています。)


【Google Bardの困ったクセ22: 『ナイツ』の言い間違いコント」みたいな絶妙な誤文が出る】

「『Google Bard』のポンコツ言動」には、「『ナイツ』の言い間違いコント」みたいな絶妙な誤文が出る」というものもあります。


「意味不明文章の原因」がこれの場合もありますが、「出ると厄介」なことは他の現象と同じです。


 やはり、生成させた文章は「しっかりと確認する」ようにするべきでしょう。

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