第5話 閉ざされた退路
玄関の扉は鍵が掛かっており、窓を見ると面格子が外からしっかりとしてあり出ることは無理そうだった。玄関を開けに行った俺が鍵がかかっていると伝えるとおおよそ狼狽えていた。
「とりあえず俺ら以外の奴を見つけたら終わるんだから、ゲームとやらに乗っかってみようぜ!」とゴウタがどんよりとした空気を吹き飛ばすように明るく言ったが、「オメーが仕切るな」とトウに小突かれていた。
当面は三グループに分かれて行動することになった。オカ研メンバーらと友人達、そして残りの俺とサナエとハジメ、ドウジの四人で別れることに。ドウジは「俺のこと頼りにしてくれていいっすからね!」と張り切っていた。場慣れしているからなのか。ハジメは怖がってはいないかと顔を覗き込むと、下を向いていたのは鳥籠のカナリアを愛でていたからであった。(コイツが一番肝が座ってそうだな…)と一安心した。
ゴウタの友人らは「動くの面倒なんでパス。任せますわー」と持ち込んだビールを飲み始めていた。あまりにも緊張感がない。あるいは酒を飲んで気を紛らわせたいのかもしれないが。
文句を言っていても始まらない。俺たちは左手の扉の前まで歩いていき開けると、西館に繋がる長い廊下が見えた。先に進むと背後でガチャリと音がした。嫌な予感がしてドアノブを回してみたがロックされてある。「えぇー。ここも鍵?! って、ホールの奴らは何やってんの!」とサナエは怒っていたが、一体誰が鍵をかけたのか…?
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