第三幕 ヒトという生き物
感覚にして半日は歩いたであろうか。突然私に警戒することなく近づいてくる私たち猫とは構造が明らかに違うと見られる二足歩行の生き物が私の頭に触れてきた。先程から私のことをみーにゃん。かわいいかわいいなどと呼び私の体中を躊躇なく撫で回してくるこの無用心且つ無礼なこの生き物を私は知っている。ヒトである。このヒトという生き物のことをどこで覚えたのか私にもとても不思議であったが、すぐさまそんなことはどうだっていいと思えるほどの衝撃にかき消された。先程から私はこの生き物の言葉がまるで魔法のこんにゃくを食べたかのように理解できている。道中あまりに腹が減ったので茶色い羽の生えた空を飛ぶ生き物を食べたことがあった。その生き物は互いにコミュニケーションを取っているように見えたが、それらの言葉などは理解できなかった。しかしこのヒトという生き物の言葉だけははっきりと理解出来たのである。
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