僕の厨二病と語る!!

────、 誰かが、星司を視ている。


『"星霊の記憶"を継ぎし器よ。

 此度、目覚めし星霊は、惑星アイボールに旧くから潜んでいた過激派宗教組織ザ・ワン、その悍ましき人工聖女計画により生まれ、数奇なる運命を歩み組織を壊滅させた開眼能力者である』


 そして、誰かは、星司を視ながら、嬉しそうに笑った。


『クカカ、器よ、邂逅の時は近いぞ……』


 星司の視界が"記憶"を覗いている。



 幼い少女の物語が視える。


 幼い少女はこの世ならざるモノのチカラを求める者達によって、シンボルとして造られた生命であった。

 ヒト族の開眼能力を高めることで、遥かなる霊格の高みを目指した者達は、幼い少女から光を奪い、偶発的ではあったが導きのチカラ──霊眼を与えることになる。

 幼い少女は不遇なる境遇の中でも優しさを失わず、絶望や恐怖を乗り越えて、己の意思で道を選んだ。

 その類稀なる意思は、幼い少女のアストラル体に、愚かなる者達が与えた導きの霊眼が超越的に強化されるという変化をもたらすことになる。


 そして、幼い少女は求める道へと導きを示す界なる眼を開眼した。



 幼い少女は己が求める道を歩み続けた。


 幼い少女は道の先に恐るべき試練があろうとも、細く拙い可能性しかなかろうとも歩み続けた。


 幼い少女は惑星アイボールを守護する組織サードアイに迎えられ、その歩みこそが多くのヒト族を導くためのしるべとなった。


 そして、そうあるモノとして造られた幼い少女は、己がそうあるべきであると定めた道を歩み続け、やがて《羅針の聖幼女》と呼ばれるようになった。



 真っ白な空間に、黒い髪で素朴な可愛らしい桃色のワンピースを着た八歳くらいの幼い少女が、目を閉じて笑顔を浮かべている。


『わたしのひらいた"まなこ"は、みんなをみちびくかいがんです。

 みんながほんとうにいきたいところへ、キラキラがあんないしてくれます。

 もとめよ、さらばしめされん、です』


 少女の第三の目がゆっくりと左右に開く。

 隠されていたパッチリとした黒い瞳が、ギョロリと蠢くと、虹彩に方位磁針に似た紋様が浮かび上がり、黄金の粒子が瞬かせながら青白く輝きだす。


 その輝きを浴びながら星司は告げた。


「そして、【真に望んだ道へ命を運ぶ《羅針の聖幼女サダメ・サードアイ》"が導きし界眼】が、先ほどの光の道で助けてくれた訳ですか……。

 つまり、サダメさんのお陰で、僕は結末に抗うことができたんですね。

 ……本当にありがとうございました」


 いつの間にか佇んでいた白い空間の中で、の少女──サダメと向き合いながら、星司は深く頭を下げた。


『うん、どういたましまして? です。

 しんと、せーじにみちびきがしめされん、です』


「あはは。サダメさんの好きに話して大丈夫ですよ」


『ほんとう? せいじょみたいに、はなさなくていいの?』


「もちろんです」


『やったぁ! ねぇ、サダメがさいしょにおにーちゃんとはなせたね!』


「そうですね。"記憶"の中ではサダメさんが初めてです。

 でも、ドウメキさんがちょっとだけ外に出て来ましたよ?」


『あ、そうだった。ドウメキのおねぇちゃんすごいなぁ』


『当然デス。ドウメキは常に最高のサポートを提供しておりマス』


 唐突にサダメの隣へ、未来的なパワードスーツとメイド服を融合させたような格好をした銀髪の女性が現れると、僅かなモーター音を響かせながら、優雅にお辞儀をした。


「あ、ドウメキさんですね。異界ではご助力ありがとうございました」


 星司は機械人形のようなドウメキの出現にも動揺せず礼を述べた。


『……マスター候補サマから候補が取れるのは、予測より早そうデスネ?

 シカシ、今は少し急いだ方がいいでショウ』


『うん。おにーちゃんのみちびきは、まだおわってないからね。〔ひかりあれ〕』


 サダメの【導命眼】から優しい光が溢れると、白い空間にハッキリと光の道が現れた。

 その道は星司の背後へと果てしなく続いている。


「……なるほど。この道が何処に続いているのかは知りませんが、僕は星霊の皆さんに助けられてばかりですね」


『ううん。いいんだよ。これはおれいなの。

 ほんとうのサダメたちは、もうまんぞくしているから』


『エエ、マスター候補サマ。

 アナタとの出会いこそが、オリジンアストラルにとっては願いの成就なのデス』


『でも、あのこはさびしがってるから、早くいってあげてね。ばいばい』


『次は、マスターとなったアナタサマにお仕えできることを願っていマス』


 フッと、かすむようにサダメとドウメキの姿が消えていき、その場には星司と光の道だけが残された。

 星司は慌てずに光の道を歩きだす。

 "記憶"の中では常に確信が湧き上がり、行動を促してくる。


(誰かが僕を呼んでいますね。

 ……そして、僕もその誰かをずっと呼んでいた気がします)


 星司は歩きながら、無意識に右眼を押さえていた。

 "記憶"から自分を呼ぶモノの知識を浮かべようとしたのだ。

 しかし、右眼が疼くことはなかった。



 白い空間を暫く歩いた星司は、光の道の終端に、ポツンと置かれた見覚えのある扉の前へ辿り着いた。


(僕の部屋と同じドア?)


 コンコン。ガチャ……。


 そして、疑問に思いながらも、律儀にノックをしてからその扉を開けると、


「……失礼します」


(……やっぱり僕の部屋?

 でも、これは……昔の部屋ですね)


 予想通り星司の部屋に繋がっていたが、その内装は、小学生時代の子ども部屋になっていた。

 そこかしこに、現在は処分してしまった黒歴史の産物である自作のが置かれている。


「……なるほど。少し懐かしいですが、此処はの部屋ということですか?」


 星司は扉の中へは入らずに、部屋の中を一度見回すと、奥にある子ども用勉強机に座って背を向けている存在へ、声をかけた。

 その机には星司の見覚えがない地球儀のようなモノだけが置かれている。


「ふむ、確かにこの場は我の領域である。

 故に、何人も侵すことは許されぬのだが……器よ、他ならぬ我の分け身たる貴様ならば別であるな。

 さあ、邂逅の時は来た。我らの伝説を始めるとしよう……」


 子どもの声で台詞を口にしながら、大仰な動作で振り返ったその存在と、星司は見つめ合った。


「……」


「……」


「あ、お邪魔します。……靴は脱いだ方がいいですよね?」


「フッ、我の領域にて貴様の装束を変えるなど造作もないことよ」


 パチンッ。

 と、軽やかなフィンガースナップが聴こえた瞬間、星司の服装が室内用のラフな格好となり、足下には来客用のスリッパが履かされていた。


(そういえば、フィンガースナップは滅茶苦茶練習しましたね……)


「では、改めてお邪魔しますね」


 既に、自分を呼んでいた存在の正体を理解しつつあった星司は、室内へと躊躇いなく入っていくと、勝手知ったるといった様子で、子ども用ベッドに腰掛けた。


「ほう、その様子なら、我のことを大よそ理解できたようだな? 流石は我が器よ」


「いえ、貴方を見ても他人の気がしないだけですよ。

 その机も、このベッドも、今は美星ミホが使っている筈ですから……貴方も含めて、僕の厨二病全盛期の部屋を再現していることは、見れば分かりましたけどね」


 目の前にいる存在は、満足気に頷きながら感心した様子を見せているが、星司にとっては疑問が生じる余地がなかった。


 子ども用勉強机は兄である星一からのお下がりであり、ベッドも含めて中学生になった際に買い換えた筈であり、厨二病卒業と同時期に大掃除をして処分した筈の物品もそこら中にあるのだ。


 そして何より、母方の祖父が遺した黒いコートをダボダボに着こなし、文字や図形を描いた包帯で左腕を巻き、自作の眼帯を右眼に被せて、黒く染めた軍手をハサミで切って造った指抜きグローブを右手に嵌め、ビーズやキーホルダーなどを集めて造ったオリジナルアクセサリーをジャラジャラと装着している、目の前の幼い少年が、星司に確信させていた。


「クカカ!! なるほどな。

 器が最もチカラを欲した時代を写した我の姿には気づかれたか。

 仕方あるまいな。コレほどに溢れるチカラの波動を完全に封じることは、我にも出来ぬ故に……」


 額を押さえながら、記憶にあるクカカ笑いをする少年に、強くなった精神力がゴリゴリと削られるのを感じながら、星司は尋ねた。


「それで、貴方の名前をお伺いしてもいいですか? ちなみに、知っているかもしれませんが、僕の名前は有馬星司です」


「クカッ! 良かろう。挨拶は大事。[アカシャの石版]にもそう書かれている。

 ゴホン、我は《大いなる眼差しアイボール》の末裔にして、新たなることわりの創造を許されし《始原の星霊》、ゲイザー・アグリゲート・アイボールである!!」


「ゲイザー、アグリゲート、アイボールさん、ですか……」


「うむ。《星を司る者アストラルマスター》星司──漸く出逢えた我の器よ。

 貴様には《見守るモノゲイザー》と呼ぶ栄誉を与えよう」


「……ありがとうございます。ゲイザーさん」


「違うぞ、器よ! ゲイザーだ!!」


「……なるほど、分かりました。ゲイザー」


「うむ、うむ」


(僕のことは器で、自分のことは呼び捨てですか……この一方的な自分ルールは、激しい既視感がありますね。

 うーん、あまり覚えていませんが、僕はこんな感じだったということでしょうか?

 ……自分の痛々しい過去を直視するというのは、想像以上にキツいですね。精神力が増していなかったら、即死でした)


 満足げに頷くゲイザーの様子に、少しずつ星司の理解が追いついてきた。


「ゲイザーはどうして僕の格好をしているんですか?」


「ん? このチカラある姿か? ソレは勿論、器と我が融合したからであるな」


「あぁ、やっぱりゲイザーと僕は融合しているんですね。……まぁ、それ自体はいいんですが、星霊の皆さんにはそれぞれの姿があるじゃないですか」


「おお、なるほど、そういうことか。

 我としたことが……ふむ、融合が早く進み過ぎないためとはいえ、思考共有を制限すると、器相手にも誤解が生じるのか……。

 クカッ! まぁ、この不自由もまた愛しいが……おっと、我に独自の姿がない理由だったな?

 ソレは我が悠久の年月を虚無と共に過ごしてきた孤高のモノだからだ」


「……? 孤高? つまり、長いことボッチだったので、自分の姿がないということですか?」


「おいっ!? 器よ!! 親しき仲にも礼儀というモノは欠かせぬと、[アカシャの石版]にも書かれているだろう!?」


「え? あ、ごめんなさい。

 どうにも、ゲイザーに対しては遠慮を忘れそうになりますね。申し訳ないです」


「ふん。まぁ、仕方ない面もある。

 我は器の放棄したアストラル体の残滓を取り込んでおるからな。

 文字通り、お主の分け身でもあるのだ。

 自分に対して、遠慮も糞もなかろうが……我と器が別個の意思を持つのも事実。

 此度の無礼は許すが、気をつけろよ?」


「はい、分かりました。気をつけますね。

 ……えーと、ゲイザーは僕の厨二病時代のアストラル体……つまり、記憶とか、精神みたいなモノを吸収したんですね?」


「うむ。器の根幹へと宿った際に少々拝借させて貰った。

 無論、我と共にいずれ器へと還るモノなれば、気にする必要はないぞ。

 故にこそ、我や星霊達は器の魂と意思疎通ができるのだからな」


「……なるほど。僕が"記憶"を理解できるのはそういう仕組みなんですね」


「器を通して、この星の概念──"認識"を取り込んだということよ」


「……そうなると、ゲイザーの正体は、僕が昨日の夢でみた"記憶"の存在──アイボールから地球まで宇宙を旅してきた[星霊石]ということですか?」


「うむ、間違いではないな。

 正確には、惑星アイボールが[星霊石]に宿した想念が、刻まれた"星霊の記憶"によって、遥かなる旅路の中で霊格を得た存在……といったところか?

 我が本質は、滅びし星の願い──『時の果てに消えゆく筈だった記憶の保存』であるからな」


「滅びた星が願った記憶の保存、それがこの右眼の本質ですか……」


「その通りよ。故に、器との出会いこそが、願いの成就なり。

 記憶が忘却により消えゆくならば、我が永劫に残されたとしても、他者に伝わらなければ消えたも同じであるからな。

 正しく、我が器との出会いは奇跡以外の何ものでもなかろうよ」


 途方もない時を感じさせる虚ろな表情に深い安堵が混ざった複雑な表情で、ゲイザーは微笑んだ。

 星司にはゲイザーの表情に込められた意味を実感することはできなかったが、ことは理解できた。


「えーと、お役に立てたなら幸いです。

 まだ、分からないことだらけですが、僕もこの右眼には感謝していますから、お互い様というヤツですね」


「クカカ!? ……なるほど、お互い様ときたか。ソレはなかなかに面白いな……」


「ええ。平凡な僕が、今日の午前中だけで夢みたいな冒険をしてますよ」


「……そうであったな。放棄したとはいえ、チカラを求めたこの姿こそ、器の本質であったのだ。

 我がチカラである"星霊の記憶"を操るは愉悦であろうよ」


「愉悦……まぁ、確かに楽しいですけど、ちょっと振り回されていますね。

 能力も若干、イロモノが多い気も……いえ、文句がある訳ではありませんよ?」


「ぬっ!? ソレは仕方がなかろう!?

 そもそも、我が器の右眼に宿ってから一日も経っていないのだぞ?

 身体に異常を感じたなら、家で大人しくするか、病院にでも行くべきであろうが!?

 ソレを……なぜに化け猫師匠と冒険しているのだ?

 少しずつ馴染むべき開眼能力も、パカパカと開きまくるから、我が調整にどれだけ苦労しているか……。

 本来なら、年単位を予定していた邂逅が、初日であるぞ?

 化け猫師匠の言う通り、確かに器はイカれておるわ……」


 途端に愚痴り始めたゲイザーへ、星司が慌てながら謝罪する。


「あの、なんか、すいません」


「ふん、まぁ、器が楽しんでいるなら、良かろうよ。

 ソレに化け猫師匠の誘導もあったからな」


「マタさんですか?」


「器は疑問に思わなかったのか? 異界とかいう"神秘"の領域とて、短時間で長距離を移動するのに負担がない筈がなかろう?」


「あぁ、猫の道とか、無限鳥居ですね?」


「いや、無限鳥居では、なんぞ狐の職員に対価を払っていただろう?

 問題は猫の道の方よ。

 恐らく、あの猫の道とやらは、同じ出入り口を使用する前提の異界だな。

 異なる出口へ移動している間に、器の許容量を遥かに越えるチカラが抜き出されていたぞ?」


「そういえば、マタさんに体調を聞かれましたね」


「化け猫師匠は、器の限界を知りたかったのだろうが……我からチカラを供給してしまったからな。

 その分、我との繋がりが劇的に増大したとはいえ、可愛いモフ毛に化かされたのは間違いあるまい?

 本来の器なら、猫の道は十分の一も歩けず、開眼能力を一つでも発動すれば、一分経たずに倒れていただろうよ」


「あはは。マタさんのレッスンがスパルタだったとは知りませんでした。

 それに猫の道以外でも、右眼から色々なチカラが溢れてきたのは、ゲイザーのお陰だったんですね……。

 その節はありがとうございました」


「クカカ!! 器が己の限界を弁えているなら、一向に構わんのだ。

 霊力だろうが、魔力だろうが、幾ら使おうと気にすることはない。

 果てしない旅路の中で、我が[星霊石]は無限に等しいチカラを蓄えているのでな」


「いや、今更ですが、一方的に使わせて貰うのは気が引けますよ。

 というか、無限のチカラですか?」


「クカッ! 器がチカラを使うということは記憶の発露にも等しいのだ。

 "星霊の記憶"の体現──開眼能力の発動こそ、我が本懐よ。

 だが、チカラの消費を気にするというなら……深淵なるチカラ、見てみるか?」


 そう尋ねたゲイザーは、星司の返事を聞くことなく、片手を上げて指を弾くのだった。


 パチンッ。

 と、再び部屋の中に響いたフィンガースナップの音が、波紋のように広がりながら、床と天井も含めた全ての壁を消していく。


 そして、部屋の外側全てを囲むように、漆黒の闇が現れる。


「ッ!? 壁が……混沌?」


 部屋の明るさはそのままなので、一見すると黒い壁紙のようでもあったが、その果てのない闇を見た星司は、つい先ほど遭遇した真っ黒い穴を連想した。


「フッ、そういえば、器も厄介なモノを視ていたな。

 確かに、コレも似たようなモノではあるが、我は【深淵星域ダークマター】と名づけている。

 まぁ、不活性状態の虚数霊子なれば……混沌の死骸みたいなモノと言っても、間違いではなかろうよ」


「混沌の死骸……多そうですね」


「クカッ! 確かに、我が旅路と等しき量なれば、多そうとしか感じぬな。

 あの頃は我に意思などなかったが……今ならば始原へ通じるチカラを、本能で集め続けていたのだと分かる。まぁ、虚ろに虚ろを重ねたとて、満たされることはなかったが」


「……なるほど。理由も分からず食事し続けていた訳ですか」


「限度というモノは基準なくしては測れぬ故、手当たり次第に喰い続けたわ……こう、通り道を採掘していく感じでな」


 手振りで目の前を掻くゲイザーを見た星司の視線が、ふと、勉強机に乗っている瞳のような形をした大陸が特徴的な地球儀に似た存在に移った。


「塵も積もればですか……あの、その地球儀みたいなモノはなんですか? その星ってアイボールですよね?」


「おぉ!? コレに目をつけるとは、やはり器は流石よな。

 まさに、コレこそが我の存在意義にして、"星霊の記憶"そのモノ──[眼球儀アグリゲート]よ!!」


 そう言って、ゲイザーはアグリゲートと呼んだ地球儀に似たモノに触れると、瞳のような大陸部分を上に向けてから、グンッと、勢いよく横に回転させた。


 その瞬間、急に部屋の明かりが消えたことで、周囲の闇と合わせて真っ暗になった。

 ただし、星司とゲイザーだけが、暗闇の中で不自然に浮かび上がっている。


 星司が状況の変化に驚いていると、


 フィィィィン……。

 と、ゲイザーの傍らから、甲高い回転音が響き始める。


 [眼球儀アグリゲート]が、瞳のような大陸の部分を上に向けたまま、少しずつ回転を早めながら、暗闇に包まれた天へと黄金の光を放ち始めたのだ。


 そして、アグリゲートの回転が限界を迎えると、ダークマターで包まれた闇の空間に無数の光が瞬き、星司達の全周囲がプラネタリウムのように様々な色に輝く星で彩られるのだった。


「実は、コレが初日から器を呼んだ本題でもあってな?

 我なりのレッスンというヤツである。

 ……器よ、貴様は右眼の説明書を欲しがっていただろう?」


 ゲイザーによる【星霊眼】の基本講座が始まった。

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