楽しい楽しいお祭りの終わり 錯綜と焦燥と

 ついこの前まで友達だったんだ。


 ついこの間まで仲間だったんだ。


 こうやって武器を向ける相手になるなんて


 思ってもみなかったんだ。









 ――――









 目の前にあいつがいる。


 体育祭の時みたいに同じ生徒としてではない。今日初めて、東一時代も含め、敵として俺の前に現れた。


 そんな幼なじみの顔を見てしまったら、それ以外何も見られなくなる。



「お前が!!!!」



 俺はエリアマインドで職員室の椅子や机を宙に浮かべ、桃鈴才華に向かって発射する。


「…………」


 しかし、天下の桃鈴才華はそんなことでやすやすとダメージを与えられる存在ではない。まるでハエを殺す時のように、涼しい顔で剣を振るい、机や椅子を切り刻む。


 いつもの俺なら、今のコンディションでは勝てないと判断し、すぐにでもここから離脱、4人目の教師を捕まえに行く……が。


 今のコンディションが最悪なことや、片腕がないことなど、もう俺の頭の中にはなくなっていた。



 何故か?



「お前を……殺すためだけに……!!」



 この約半年の間、体を血に染めてきたのだから。


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