文化祭 1日目終了
俺は職員を1人後ろから刺し殺した後、慣れた手つきで死体の処理にかかる。
殺す手法は簡単だ。用意しておいた凶器をエリアマインドで浮遊させて刺すだけだ。手は黒い手袋を装着しているため、指紋で特定されることもない。完璧な犯罪が可能と言うわけだ。
「よし……と……」
俺は死体を引きずり、近くにあった緑色の布をベロンとひっぺがす。粘着性のある何かが引っかかっているのか、べろべろと音を立てる。めくると言うよりは剥がすような感覚だ。
「いや……
そこにあったのは、2人の教員の無残な死体。1人は体の所々が凹み、刃物よりもバットのようなもので何度も殴りつけられたような姿で、もう1人は四肢を切断され、何度も切りつけられている。
(まぁ……これをしたのは俺なんだけどな)
ちょっと遊びすぎた。この2人はなかなかに抵抗してきたので、少し張り切ってしまったのだ
(人間の殺しに張り切ったって……もう完全に快楽殺人犯のセリフだな……)
とんでもないことになってきた自分の思考に鼻でフッと笑う。ちょっと前の俺なら吐いていたであろう光景。それは今の俺からしたら当たり前で、憎き東京派閥に復讐していると思うと、体中がゾクゾク感に支配される。
(……っと、長居は良くないな、とっとと隠すか)
その布の中に3人目の死体を入れると、すぐにここから出ようと歩を進める。
こんなところに放置をしていては、いずれ見つかるだろう。
しかし、どんな速さで見つかろうが、俺が犯人と結びつける証拠がないため、3つの死体を時間をかけてわざわざ遠くに隠す必要性もない。そんなところに時間をかけるのなら、明日の行動の計画を立てた方がよっぽど効率的だ。
(さて、あと1人……)
最後の1人が間違いなく俺につながる何かを持っている。これまで殺した奴の中にいる可能性もあるが、それはありえない。あれだけ拷問まがいのことをして話さないのは考え難いからだ。
上層部が腐りきった東京派閥なら尚のことである。
「見つけて……」
最後の1人を見つけようとしたその時。
「……っ!?」
右から、ガサリ。何か地を踏んだ音がした。
(見られた!!)
これが犬やらネズミなら問題ないのだが、人間だった場合大問題だ。
これが職員内に広がれば、俺への注目度が増す事は間違いない。今すぐ見つけなくては。
「クソッ……なんでいつも大事なときに……!!」
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