とある動物病院の忙しい一日を活写したお話。
ほのぼのとした雰囲気の現代もの掌編です。
さまざまなペットが登場し、バタバタと忙しない一日が描かれるのですけれど、魅力はなんといってもそのペットたちの名前。
それぞれにクセというか個性があり、「何を思って名づけたか」をつい想像させられてしまう。
彼らの飼い主やその家庭など、まったく描かれていないはずの部分を感じさせる、その不思議な読み心地がとても楽しいお話です。
本文以外の部分を想像させられる楽しみというか、見える範囲の向こうにもちゃんと世界が広がっていることそのものが気持ちいい、という感覚。
まさにタイトル通り、とつい唸らせられてしまった作品でした。