2-9
「……これは、これは」
精霊たちが戻ってこないと思ったら、水の精霊アリーナも動けないように拘束された状態で放置されていた。
『ボイラー。ミシェルが裏切った。精霊の愛し子の精霊まで現れやがった。おかげで三対一で手が出なかった。他の精霊使いにも連絡をとったほうがいい』
アリーナを精霊鎖に戻してからしばらくすると、火の精霊カズンがボイラーの元へ現れる。
「三対一、精霊の愛し子の精霊は二つですか?」
『ああ。おそらく一人の精霊の愛し子が二つの精霊と契約している。ソライ、フィンに他火と水の精霊。合計四つの精霊がいる』
「面白いですね。二つの精霊と契約を結べる精霊の愛し子がいるとは」
『ボイラー。他の精霊使いを集めるんだ』
「カズン。あなたは主人に命令するのですか?」
『そんなつもりは』
「まあ、いいでしょう。今動くはやめましょう。様子を見てから、今後の動きを決めるのです。カズン。元に戻りなさい」
カズンは不服そうな顔をしているが命令は絶対だ。大人しくボイラーの手首の精霊鎖に戻っていった。
「さあ、面白くなってきましたね」
圧倒的不利な立場に追い込まれたはずのボイラーだが、その顔には楽しげな笑みが張り付いていた。
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