短歌(8)
こひと願わば返したまへや
▼燕返し
またねと別れたはいいけど、まだ離れがたい
背中を見送るのは寂しい
ツバメよ飛んできて、君を振り返らせてほしい
ツバメは矢のように目の前を飛んで行ったかと思えば
ブーメランのごとく返ってくる
雨の前後は特に低く
足元スパッと、追い抜き、飛び去り、またうしろへ
それを目で追えば、振り返らせているよう
「燕返し」と「振り返る」は掛かっていますが
「惜別の君を追い越す
と、最初は上の句していました
それだと恋の別れ、永遠の別れ、遠恋の別れといった切なさ満開
デートのあとの余韻を想定したので練り直しました
「こひ」
は、恋と来いと乞いとすべてを兼ねて
●季語としての「燕」「夏燕」
燕返しは中二病にも響く言葉ですが
季語的に「燕」は春だそうです
「夏燕」としないと夏を表わさないとか
燕は春から夏の渡り鳥ですが
短歌なので季語は関係ないといえば関係ないのですけど
●古語は難しい!!
古語的な歌にも挑戦してみた一作
「掛け言葉」を使うなら、古語でこそしっくりくるのですが
「振り返らせてほしい」(願望)
これが全然、分からなくて
古文、古語、学校の授業でも苦手だったなあ
それがあるから古文書の解読にも腰が引けていたりして
「返したまへ」がしっくりきますが、一語足りず「や」で強調
それも合っていますか?
あえて勉強の古語も、あやふやで文法間違うようなら
コンテストには出せませんね
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