現在と就活

 敗血症になった父だったが、今はそれを乗り越え現在リハビリに励んでいる。

 

 だが、問題は母親だ。


 残された父方の祖父が頑固な性格で、現在いる老人ホームに居続ければいずれお金がなくなるのは目に見えていた。ましてや父の入院が嵩み逼迫した経済状況でどうしても安い老人ホームに移ってほしかったが、それも叶わず。ましてや、現在の父親の地位でそんなことに金も回せないのかと、遠回しに言われ続けた母親は完全にノイローゼになってしまった。


 自分も少しは助けになれば良かったのだが、すでに会社からは退職を勧告されていて、元の会社にいることは難しくなり現在は無職である。真ん中の弟は大学院に向かう、一番下の弟は紹介された仕事が肌に合わないという理由で現在も就活中である。


 改めて、自分は無力な人間なんだと強く突きつけられたような気がした。


 現在、自分は就活中である。しかし、ただの就活ではなく、障害者雇用枠での就活である。現在、書類を会社に送って選考待ちではあるものの、果たして自分という人間を雇ってくれるところがあるのかわかったものではない。


 そして、今までの過去を振り返り、現在に至るわけである。


 気丈に振る舞い、家族には大丈夫だと笑顔を向けて過ごしてきたわけだが、そろそろ限界が来ているのを実感している。薬は増え始め、F先生からは入院を勧められている。それでも、自分が折れたら家族が折れるような気がしてならない。


 正直いえば、かなり辛い。


 何もしていない時に涙が出そうになる。


 けど、ここで折れてはいけないと心の中で何度も口にする。


 折れないために、今日も言葉を紡いでゆく。


 通院は毎週月曜日。この日だけでも、何かを書き留めておきたいと思う。

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