女の体に生まれたことで生とか死とか性とか考えがちで、常にドロドロした嫌なものを見ながらここまで生きてきたなぁという気分に時々なります。
全体通して、優劣や順位づけされた世界の中での息苦しさを感じる歌が多く、言葉選びがさすがですね。

＞生理痛持ちのわたしが立つだろう産婦人科のソファーが混めば
＞捕食後に天使にもどるクリオネの気持ち悪さも愛したいのに

この二首が特に、心の片隅にある負の部分が滲み出ているようで、すごく良いなぁと思いました。

キャッチコピーにもなっている

「産まないと決めたからだは変わらずに生ごみとなる経血を生む」

をはじめ、ドキッとしてちょっぴり心が痛む歌たちに感情を揺さぶられました

「肉としてスーパーで冷やされている牛も豚も鶏も私も」
「生きるとはそういうことだ晩餐に子持ちししゃもを食う罪深さ」

この２首も生と死が隣り合わせで印象に残り、好きな歌です
とても上手な短歌だな〜と思いました

母という字は少し傾く
の一首がすごく響きました。
いい歌たちですね！