どちらに行っても地獄

またもや新たな問題が出てきた。どちらの家で休ませてもらったほうがいいか。俺の答えとしては優雨の方に行くほうが普通だと考える。忘れていたが一応幼馴染だし?


「それなら、優雨の方に・・・」


「私のうちではいっぱい歓迎するよ!」


空さんを断るのもあれだし、今のところ優雨の方にお世話になるが彼女の言い分も聞いておこう。


「例えば?」


「ずっとそばにいてあげるよ・・・」


「却下」


「なあ!!!???」


そばにいてもらえるのはいいがずっとは流石にヤダ。メンヘラ彼女みたいじゃん、俺そんな性格の人とは一緒にいたくないです。


「しかも空さんの家結構遠いしあと悪いよ」


「だ、大丈夫です!もうお母さんに言ってあるんで!」


必死になりながらもそう言ってくる空さん(17歳)こういう時って親に言うのが一番断りづらいことである。それなら空さんの家にお邪魔させてもらおうかな。


「もう言ったのなら仕方ないから空さんの家に・・・」


「私以外の女の家に行くなんて拓人あなた浮気かしら〜?浮気よね?ね?」


優雨の方を断ると優雨との関係は終わるし、また職員室に手紙が来るだろう、まあ職員室の方はどうでもいいが。俺の少ない関係を減らすのは良くないということで優雨の方にしようか。


「ごめん空さん、優雨は一応彼女だし・・・」


「優雨さんが別れるなら私が付き合うよ!」


「わ、別れるわけ無いでしょ!?」


話が絡まってこのままじゃ決まらないのでこういう時はなにか勝負事で決めるのが一番だと思う。例えばテスト・・・これじゃあ今日中に決まらないから常識的にじゃんけんかな?


「そこまで争うならじゃんけんで決めれば?」


「「そうしましょ!」」


「もう一度確認な。優雨が勝ったら優雨の家に、空さんが勝ったら空さんの家に。というかんじかな」


「拓人そうじゃなくて私が勝ったら空さんの家に空さんが勝ったら私の家の方にとしたほうがいいと思うの」


「私もそのほうがいいと思います!」


「じゃそれで」


二人は祈るように腕をさすっている。じゃんけんってそんなガチにやるものだっけ?


「じゃん・・・!」


「けん・・・!」


あれ?二人の背景になにかが見える・・・?あれは?虎と竜かな?


「「ぽん!」」


グーとグーだった。というわけであいこでまたやり直しだ。


ーーーーー


「なあまだ決まらないのか?」


「「・・・もう少し」」


20分近くじゃんけんを続けている、息ピッタリというかもう同じ考えを持っていると言っても過言ではないかもしれない。あいこの回数はもう手で数えられなくなるときにもうやめた。


「・・・鍵探してみよう」


「「ぽん!またあいこ〜!?」」


あ、こんなところにあった。なんで母さん言わなかったんだ?でもとりあえず見つかって安心したなくしてたら今日いっぱいは家に入れなかったからな。俺は鍵を宝物のように優しく包み込んでまだじゃんけんしている二人を無視して鍵を開ける。


「・・・見つかったの!?」


「私達の時間返して・・・」


「・・・ごめん」


扉を締めながらそういった。土下座くらいしないと許されない行為だと思う、俺も同じことされたら友達やめてるくらいの。

ドアからひょっこり顔を出して


「よかったら寄ってく?うち」


「「・・・」」


二人は無言で頭を縦に振った。


「・・・意外と綺麗にしてあるのね」


「優雨じゃあるまいし」


「確かにかなり綺麗にしてある」


「まあこういうことは得意だからさ」


毎日掃除しているかいがあったもんだ。いつ誰が来てもいいように掃除はいつも視点だ。


「優雨と空さんはリビングでゆっくりしててくれ今お茶出すから」


「お、お構いなく」


「えー炭酸がいい」


「醤油にしておくな」


と言いながらもしっかりと用意する。流石に醤油を出すわけにもいかないからな、そんなことしたら優雨がめんどくさいことになるから。


「あ、あとお菓子」


争った後の二人を俺はおもてなしをするのだった。


あ と が き

作者です。書きだめをしているので誤字脱字があるかもしれませんがなるべく無いように気をつけます。


作者

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