67.スキルセット完成
最初こそ休憩のタイミングが分からずに戦い続けて疲労困憊の体で魔境を離脱する、なんてことを繰り返していたが、数日も潜ると慣れてくるものだ。
連戦につぐ連戦で、俺たちは急速に強くなっていった。
ディアーネは〈シールドバッシュ〉を完全にものにしている。
盾での殴打はスタン状態を引き起こすため、隙を作るのに最適なスキルだ。
仲間の攻撃の機会を作るという意味で、支援型の前衛になりつつある。
また〈フィールドエンハンス〉というバフも身に着けていた。
これは
この〈フィールドエンハンス〉、効果範囲はそう広くないので、影響を受けるのは実質、ディアーネ自身とアリサだけなのだが、パッシブスキルであるというのが強みだ。
戦闘開始時に自動発動するので、手間いらず。
またアリサへの攻撃を盾で受け止める場面も見受けられるようになった。
恐らくは〈盾・かばう〉を習得しているものと思われる。
マーシャさんは〈四連射〉と〈魔力矢〉を習得した。
〈魔力矢〉は
つまり最上級クラスにクラスチェンジしたことを意味する。
恐らくは〈弓・射撃Ⅱ〉も〈弓・射撃Ⅲ〉にランクアップしたことだろう。
そして〈魔力矢〉からの派生で、〈流星雨〉を習得した。
〈流星雨〉は打ち上げた魔力の矢が分裂して降り注ぐというファンタジーなスキルである。
範囲攻撃なので回避しづらい、なんてもんではない。
〈百発百中〉とのお手軽コンボで、全弾命中するため凄まじい威力を発揮するのだ。
消費MPが二点と重めだが、切り札として考えれば六発も撃てるので十分だろう。
アリサは名乗り上げを続けた結果、〈先駆けの功名〉を習得したものと思われる。
名乗りを上げるだけで、魔物が動くより先に一撃目を入れられるというチートスキルだ。
これで〈二の太刀要らず〉の〈居合い〉が放たれるのだから、一撃で勝負が決まることも多くなった。
魔物の首を落とす頻度が格段に増えたのは、多分だけど
〈介錯〉は刀による攻撃に即死判定が乗るというもので、魔物のHPに対して与えたダメージの割合が大きいほど即死確率が上昇するため、一撃目に最大の攻撃を放つアリサにとっては強烈なシナジーを持つ組み合わせと言えよう。
また
これで
そして肝心の俺だが。
遂に〈回復量増加Ⅲ〉を習得した。
これで〈ヒーリング〉の回復量は最大となり、非戦闘時ならばどんな傷も立ちどころに癒やすことができるようになったのである。
また毒や病気を治す〈リストアヘルス〉、精神状態異常や呪いを解除する〈エヴァンゲル〉を習得した。
やはり戦闘時には無理だが、戦闘終了後にスキルセットを入れ替えることにより、状態異常も回復できるようになったのは大きいだろう。
これでいよいよ攻撃力を上げるためにSPを割けるわけだが……ゲーム『トゥエルブ』と違ってこの世界はソロではない。
魔法使い系のスキル構成は壁となる前衛を用意するために
召喚獣に割いていた分のスキル枠も攻撃力上昇に回せるため、ゲームでは机上の空論だったコンボも使えるわけだ。
……とまあそうは言ったものの、俺自身、ゲームでは前衛を使うことが多かった。
ソロゲームであるという特性上、打たれ弱い魔法使いは使い勝手が悪かったのである。
魔法使い系をプレイするのは、予めボスの弱点が分かっているときくらい。
だから氷属性を中心に据えて、魔法使い系のコンボを試すのはゲームを含めて初めてと言っても過言ではない。
スキルについては覚えているので、組もうと思えばコンボは組めるのだが……威力は未知数なのである。
楽しみなようで、不安もある。
だが仲間を信じて、挑戦してみようじゃないか。
今更、前衛にコンバートするわけにもいかないしね。
◆
《名前 レイシア 年齢 10 性別 女
クラス
パッシブスキル
〈MP軽減Ⅱ〉
〈凍結付与〉
〈高速詠唱〉
〈回復量増加Ⅲ〉
アクションスキル
〈ストーンハンマー〉
〈ウォータースピア〉
〈ウィンドカッター〉
〈アイスボルト〉
〈ブリザード〉
〈レイ〉
〈ヒーリング〉
〈ディスペル〉
控えスキル
〈農民の証〉
〈大魔術師の証〉
〈魔法使いの証〉
〈司祭の証〉
〈司教の証〉
〈農業Ⅰ〉
〈MP軽減〉
〈回復量増加〉
〈回復量増加Ⅱ〉
〈槍・刺突〉
〈投石〉
〈リストアヘルス〉
〈エヴァンゲル〉
〈アナライズ〉
》
《スキルセット:回復特化
クラス
パッシブスキル
〈高速詠唱〉
〈回復量増加〉
〈回復量増加Ⅱ〉
〈回復量増加Ⅲ〉
アクションスキル
〈ヒーリング〉
〈リストアヘルス〉
〈エヴァンゲル〉
〈ディスペル〉
〈アナライズ〉
》
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