質問とお答え
堀井さん、こんにちは。この度は「カクヨム作家さんに聞いてみた」にご協力いただきありがとうございます。堀井さんの作品を読みながら、毎回毎回「堀井さんはどうやってこんな話を書いてるんだ?」と思っていたので、今回お話が聞けてとても嬉しいです。
それでは、さっそく質問させていただきたいと思います!
Q1:
ペンネームとその由来を教えてください。
知人の堀井さんがアメリカで生活していた際「holy」と呼ばれていたと聞き「いいなー堀井さん」と思っていました。と言うことで、ペンネームを考える際迷わず姓を「堀井」にしました。
名は紫色の花の植物にしようと思っていました。いくつかの候補を姓名判断した結果「菖蒲」が最高に良かったので「堀井菖蒲」となりました。「菖」の字体が自分の体型によく似ているので気に入っています。
Q2:
小説はいつ書き始めましたか? なにかきっかけはありましたか?
中学生の時、絵や漫画を見せ合うのが仲間内で流行っていました。私は絵も漫画も描けなかったので仕方なーく小説もどきを書きました。それが楽しくて何作か続けて書きました。「小説家」に憧れた事もありましたが、進路を決める段階で「世間の常識を知って人生経験を積まないと小説なんて書けない」と悟り、手に職を付けて働くことにしました。夢の無い JK でしたねー。そのまま勉強や仕事が忙しくて小説を書こうという気持ちは全くなくなりました。
Q3:
ご自身で好きな、または影響を受けた作家さん(アマチュア、プロを問わず複数可)がいれば教えて下さい。また、好きな作品も教えて下さい。
昔は「ライオンと魔女」シリーズのようなファンタジーが好きでした。好きな作家さんを一人上げるとしたら宮本輝さんかな。結構沢山の本を読んだ気がしますが、どんな本を読んできたのか記憶が定かではありません。社会人になってからは実用書と専門書しか読まなくなり、小説系の読書歴がぷっつり途絶えて久しいので……。語彙力や表現力を磨くべく本を買っては、買ったことに満足しちゃう……。
交流しているカクヨム作家さんにはいつも情熱とエネルギーをわけて貰っています!
Q4:
小説はいつ書いていますか? 書いている媒体 (PC やケータイなど) やソフトウェアがあれば教えて下さい。
主に仕事が休みの日に書いています。PC で作業しながら漕げる「ながらバイク」をキコキコしつつ書いていますが足が太くなるばかりで脂肪は減らないという不思議な現象に見舞われています。
「Nola」を使って下書きし、カクヨムに一話ごとに分けて保存します。その後、カクヨム上でかなり推敲を重ねて完成させます。
Q5:
執筆でこだわっていること、気にかけていることはありますか? (文体やわかりやすさなど)
暗い話の後は軽く笑えるエピソードを挟むなど、ストーリー展開にメリハリが出るようにしたいと思っています。「あの娘」はどうしても辛い場面が多くなるので、息を抜くところが無いと読む方も書いている自分も辛くなるので。
場面を肌で感じて貰える事を目指しているので、視覚だけでなく五感で場面を語りたいと思っています。
Q6:
創作活動で目指していることはありますか?
倉本聰さんが富良野塾の卒業生に贈った言葉に
「人の琴線をふるわす作品を創り
そのことで人の心に感動という涙を生み出し
その涙で人々の心の中にある
孤独を
悲しみを
憎しみを
疲労を
洗い流すそれだけの仕事だ
それ以上のものでもそれ以下のものでもない。
一滴の涙を産むことに賭けたまえ」
という一節があります。目指すものはこれにつきます。
Q7:
「あの娘が空を見上げる理由」を書こうと思ったきっかけを教えて下さい。
どんなことから発想を得ましたか? どんなお話にしようと思いましたか?
書こうと思ったきっかけ:北海道で暮らすことになり、給料が低いくせに必要経費が多い事(タイヤを定期的に買い換えなきゃいけない。暖房代がめっちゃかかる―など)に危機感を感じ、クラウドワークス的なもので副業をしていた時期があります。その中で家具を取り扱う会社の PR 誌に乗せる「家具を題材にした物語」の短編を 10 作品書かせて頂く機会を得ました。高校以来の小説執筆でしたが、意外と書けることが嬉しかったです。
どんなことから発想を得たか:通勤途中に閉校した小学校と万屋的な商店が並んでいる所を通ります。素敵なシチュエーションから「頼りないけど腕がいい家具職人としっかり者の女の子」という物語が浮びました。
不思議な事に、納品した後も頭の中から物語が離れず、それどころかどんどん発展していきました。いつか形にしたいと思っていましたが時が経ってすっかりそんなことも忘れていました。コロナで時間が出来ましたが、閉塞感で精神的なバランスを取るのが難しいと感じたのは私だけではないと思います。自分の場合、何か作ることに没頭した方が心の均衡を保てると思い、勢いで書き始めて現在に至ります。
どんな物語にしようと思ったか:最初は美葉 & 正人と健太 & アキ、二組の恋愛物語でした。「憧憬」と「赦し」のアキが登場する辺り、今書いている結末の物語がざっくりと頭に浮んでいました。単純な恋愛物語にならなかったのは、登場人物の特徴や背負うものが重たすぎたせいです。それを責任持って描かなければと思っているので、自然と群像劇となりボリュームも膨んでしまいました。また、正人と美葉の出会いから結末まで時間の経過が長いので、間を埋める物語として「結」を書くことにしました。ここからへんから「生きることの尊さとか人と人の繋がりの大切さを描こう」という方向性が定まりました。
結構行き当たりばったりです……。
Q8:
ストーリーの案はどんな風に浮かんできますか? 映像で浮かんでくるとか、書いているとどんどんイメージが膨らんでくるとか、最初にあらすじをきっちり作る、とか……。話作りの過程を教えて下さい。
印象的なシーンは映像として浮んでくるので、それを繋げる形でプロットを書きます。でもプロット通りには行かず、キャラが勝手に話を進めたり、書きながら気付きがあって修正したり、悩みつつ大まかなストーリーを粗彫りするように書きます。エピソートを足したり消したりしつつ、丁寧な描写になるよう書き直しを何度か繰り返して完成させます。
凄く回りくどい書き方だし、この書き方だと連載しながら書くという事が出来なくて困っちゃいます。「ストックが―」とか言ってみたい……。
Q9:
「あの娘」のキャラクターについて伺います。
美葉はしっかりしてそうだけれど、思い込みが強くて頑固なところが意外でした。あとちょっとだめんずにほだされてしまうところも笑。そういうギャップがとても人間らしくて愛らしいと思います。彼女のキャラクターはどんな風に考え出しましたか?
正人のような特性の人は、パートナーに恵まれると素晴しい才能を発揮します。人類の歴史を振り返ると、そう言う偉人が時代を変え、新しい発見をして歴史が前に進んだということが少なくありません。だけど偉人はベストパートナーを見付けるまでは結構だめんずだと思うんです。だから、正人のパートナーである美葉はまず「だめんずにほだされる」人で無ければならないのです。パートナーを支えることに生き甲斐を感じる人じゃないといけないんですが、献身的に男性を支えるだけの女性は余り好きでは無く、「自分の夢に向かってガンガン人生を切り開く」という理想の女性像を合わせました。
そして、ヒロインはやっぱり美しくなければ!
Q10:
一方の正人はキャラクターとしては特殊だと思います。知能は高いけれど、発達障害なのか、アスペルガーなのか、社会的な適応性に欠ける……。それでも、人を受け入れることにとても長けている。正人はナチュラルに生まれてきたキャラクターだったのでしょうか、それとも考えに考えて作ったキャラクターでしょうか?
元々は「一心不乱に家具を作るイケメン」の映像が浮んでいました。私は発達凸凹の方々の個性にとても魅力を感じています。素敵な発達凸凹さんを描きたいとまず思いました。
一方で、「正人の家具や彼自身の人柄に触れ、気付きが生まれ人が変わる」という物語を描きたかったので正人の人たらしな人柄が加わりました。
発達障害という特性を持つ人物を扱うにあたり、当事者の方に配慮してできるだけ現実の姿と矛盾しないようにリサーチや検証はしなければと思っています。
因みにですが……。
正人が精神科の病院で心理テストを受け確定診断を受けたとしたら「ADHD + アスペルガー」という結果になります。ADHD > アスペルガーで社会適応には何かしらの援助が必要になる程度の重症度です。ADHD 傾向が強いので社会一般的な時間軸に合わせて行動をコントロールすることができませんし、目の前の刺激にとらわれて自分が今取り組むべき課題がを見失ってしまいます。
「敬語を使うべき適切なシチュエーションを判別できない」という社会認知能力の低さはアスペルガーの特長です。
正人の類い希な感覚の鋭さは発達障害の方によくある「感覚過敏」の影響です。
発達の特性に加えて PTSD も乗っかっているので正人の内面はとてもやっかいです。
……ビジュアル的には、「わたしの幸せな結婚」の清霞様がおしゃれ坊主になった感じと想像しながら書いています(涙と鼻水をたらしてすいません!)。因みに美葉の名前はヒロインの美世から貰いました。
掲載者注(今はたくさん情報が出ているので皆さんご存知かとは思いますが念のため記載します)
ADHD: 注意欠如・多動性障害。不注意(活動に集中できない・順序だてて活動に取り組めないなど)と多動・衝動性(じっとしていられない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く、かつ特定の条件を満たして認められる障害。
PTSD: 心的外傷後ストレス障害。 強い衝撃、恐怖、危険を経験した後で、自分の意志とは無関係にその体験が思い出され、精神・身体に負の反応が生じる障害。
アスペルガー症候群: 自閉症スペクトラム障害の旧カテゴリー。社会的な関係を築いたり、社会的な行動を取るのに困難を生じる障害。興味が極端に限られる、反復的な行動を取るなどの症状が見られることもある。
Q11:
美葉と正人の周りには、佳音、錬、陽汰、健太、そして悠人とたくさんの友人たちが出てきますが、このたくさんのキャラクターはどうやって思いついたんでしょう? それぞれの性格をどんな風に考え出しましたか? そして、彼らの違いを文章や台詞だけで表現するのは難しくはありませんでしたか?
元々美世の同級生で登場するのは健太だけの予定でした。「廃校になった小学校の最後の卒業生」という設定を考えたとき、同級生は五人くらい欲しいよなーと思って佳音・錬・陽汰が生まれました。
同級生に美葉がいたら、絶対嫉妬すると思うんです。だから佳音はちょっと卑屈で自己評価が低い女の子になりました。もっと美葉と敵対して消えていく想定だったのですが「佳音」という名前が気に入って、仲直りして友情を深めるという設定に変わりました。
錬は、太陽のような健太の影に甘んじていたけれど、そこから反発して一人の男として将来を模索する少年として生まれました。「憧憬」の浜辺のシーンで突然佳音に告白してびっくりしました。
健太は典型的な陽キャで物語のムードメーカーです。
もう一人、と考えたとき、背が小さくて顔半分がもじゃもじゃのくせ毛で覆われている少年の姿が思い浮かびました。このビジュアルは何から来るのか考えたところ「場面緘黙症」という病気を持っているから社会を前髪で遮断しているという設定を思いつきました。
悠人は最初何となく書いたキャラクターだったのですが、折角だから「おままごとキッチン」で活躍して貰うことにしました。天邪鬼な女性と重度のアレルギーを持つ女の子と家庭を築いたら、苦労するよな……。と想像していたら、メインキャラに昇格していました。
それぞれのキャラクター視点でエピソードを書くときに、苦労したことは一度もありません。みんな個性的なのですっとキャラクターの視点になれます。
Q12:
作品内で特に好きなキャラクターがいたら教えて下さい。その理由もお願いします。
節子ばあちゃんには思い入れがあります。
知人のおばあさんが持病で入院していてコロナの院内感染で亡くなってしまったのですが、お見舞いもお別れも言えずお葬式も無くという状況で、いなくなったことを受け入れることが出来ませんでした。そこで、節子ばあちゃんにお姿をお借りしました。物語の中でみんなを愛し、愛されることがご供養になればと思います。
保志もお気に入りのキャラクターです。
正人が職人として成長するためには指導者が必要だと思って生まれたキャラクターです。この関西弁で行儀の悪い人物像はモデルがいるので、「こういう時はこんなことしそう」と想像しながら書くのが楽しいです。
Q13:
この作品では、家具作り、家作り、農業、医療関係など、様々な仕事が出てきますが、どの仕事も内容が詳細でリアルです。これらは調べて書いているのでしょうか? それとも、関係者にインタビューしたりしているんでしょうか?
自分や家族、友人の職業を登場させています。普段の会話から頂いたエピソードを参考にさせていただいています。関係者がいない職業は、業界人のブログやサイトを読んで想像を膨らませています。
Q14:
正人が作った家具の中では、座る人の身体にびったり合った椅子とお仏壇が印象に残っています。あとは、美葉が手掛けた駒子のバリアフリーのお茶室も素敵でした。これらの家具や建築について書こうと思ったきっかけがあれば教えて下さい。
椅子:正人は家具職人として修行を積み重ねていきました。その修行の最終段階が「人を幸せにする家具」です。修行の過程で「座り心地にこだわった椅子」という課題をもらったとしたら、正人はその課題をどう解釈するだろうと考えました。普通はデザインに工夫を凝らして課題をクリアしようとするでしょう。しかし正人だったら、かなり突き抜けて一人一人の身体や身体の使い方に合わせた家具を作ろうとするだろうと思いました。そこで、車椅子をオーダーするときに身体を計測して高さや座面の大きさを決めるという話を思い出しまして、椅子ならもっと厳密に身体に合わせてフィッティングできると思いました。次作で理由が解明されますが、正人は人体の構造にかなり精通しているので、解剖学と運動学レベルでフィッティングを考えることが出来ます。正人の椅子は、正人の家具職人としての有能さと特異性を象徴する存在です。
お仏壇:家具を作る場面が無いと「家具職人」という設定が死んでしまうので、何らかの描写は各話に入れたいところです。「赦し」では、正人・保志・涼真が生と死に対して特別な感情を持っており、そこを乗り越える課題を抱えています。お仏壇は生きている人と亡くなった人を結びつけるものだと思うのです。「愛する人を待ち続けて結局大きな後悔を残した人物と出会いお仏壇を作る」と言う作業を、正人の心を変化させる転機にしました。
茶室:京都=お茶という安易な設定から生まれました。知らない内に正人と美葉がコラボしていたというエピソードを書きたかったのです。二人が一緒に仕事をしたのは「憧憬」の樋口家以来です。美葉の成長と、相手が分からなくてもリスペクトし合う二人の関係性を描きたいと思いました。バリアフリーの茶室は建築の知識が無いくせにひねり出したので大変でした。まさに鼻かららいでんすいかを出す思いでした。
Q15:
「あの娘」の難しい側面では、佳音と小野寺の関係やアキの過去がありました。ハラスメントや行き場のない未成年について書こうと思ったきっかけはありますか? 書くのは難しくはなかったでしょうか? 特に小野寺のような相手をコントロールしたい人間の精神構造の描き方が緻密でした。詳しく調べられたのでしょうか?
大変な環境の方と接することが多くて、登場人物の設定を考える時過去に困難を背負わせてしまう傾向があります。書くからには似たような困難を持つ当事者の方が不快に思わないように、まだ読んだ方が誤解を抱かないように事実に基づいた内容になるようリサーチはしっかり行なっています。小野寺は例外ですが、お話の中だけでも幸せになって欲しいと願いつつ書いています。書くことに難しさは感じませんでしたが、とにかく現実から離れてしまって誤った情報源にならないようにだけは気をつけていました。
Q16:
今、「あの娘」の続編を執筆中だそうですが、あらすじをチラ見せしていただけないでしょうか。また、「あの娘」以外にこれから書いてみたいお話があれば教えて下さい。
あの娘の続編チラ見せ!?
①正人と美葉は一見順風満帆。でも、モヤモヤしたものを抱えています。それを解決するために東京へ向かいます。
②健太とアキの結婚には色々と障害があります。そんな二人に大きな問題が持ち上がります。アキの幸せが物語の大きなテーマになっていきます。
③錬と佳音は当別に帰ってパン屋の開業を目指しますが、二人の夢に障壁が立ち塞がります。
④陽汰とのえるは思いがけない活躍をしています。でも本当に自分たちがやりたいことは何だろうと模索します。
⑤悠人と千紗と桃花の家庭はギクシャク。原因は桃花。思春期真っ只の桃花は自分自身を持て余しています。
これから書いてみたい物語:「赦し」で登場した小笠原仁と綾の物語を途中まで執筆しています。あの娘が完結したら本腰入れて書きたいです。
Q17:
執筆以外の趣味はありますか?
手芸を始め何か作るのが好きです。釣りも好きで、一時渓流釣りにはまっていましたが熊が増えて一人でふらっといけなくなりました。
多趣味なのですが一点集中型なので今は執筆に時間を割いています。執筆と並行でできるのはふらりとドライブに出かけて写真をとってソフトクリームを食べることですかね。
Q18:
以前にお料理がお好きとおっしゃっていたと思いますが、普段どんなお料理を作るんでしょう? お得意料理があれば教えて下さい!
普段は手抜きです! 生きていけたらそれでいいです。
時々スパイスを配合してカレーを作るなど、こったものを作りたくなります。
得意料理はたこ焼きです。売り物になるクオリティーです! 屋台のたこ焼き屋さんをやりたいと本気で考えていたことがあります。
Q19:
これまでの質問に無いことで、「これを聞かれてみたかった!」ということがあればお答えください。
・・・充分です。
というか、「こういうことに興味を持って貰えているんだ」と分かり、とても参考になりました。
Q20:
最後にいつも読んでくださっている皆さんに一言お願いします!
大切なお時間を自分の為に割いてくださりありがとうございます。
沢山いただいたメッセージは宝物であり、自分を支えてくれるものになっています。
「この物語を読んで良かった」と思っていただけるように、がんばりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
おまけ
イカワ:
涼真さんの名前が一回も出て来ないで終わってしまった……。
実は、私は涼真さんがとても苦手だったんですよ。コワイひとだなと思っていて。上司だと思ってるのに、仕事時間以外も連れ回されて、車の中で顎クイとかされたら、私だったらその場で車から降りて逃げ出しちゃうなー、美葉ちゃんはツヨイ! と思っていました。まあ、美葉ちゃんも正人さんがいるとはいえ、まんざらではなかったんでしょうね……。
堀井さん:
涼真がどういう形で生まれたかについて捕捉しておきますね。
最初は美葉を導き、純粋に彼女に恋をし、正々堂々と正人に立ち向かい最後は正人に美葉を譲るという人物像を思い描いていました。
ところが「結」正人は自滅していて立ち向かうことすら出来ない状態。で、鼻持ちならない方法で美葉にモーションを掛けることにしました。それが思いがけず皆さんから批判を受け、それならとことん悪役にしようと「結」に伏線を置き、「赦し」であのような形で物語に絡ませました。元々爽やかイケメン社長の筈だったのに色々大変な事を背負わせてしまってごめんねという気持ちを込めて「終章1」で救いを与えました。
たしかに美葉はまんざらでもなかったんでしょうね。世間知らずのお嬢さんの時にキラキラした大人の男性として出会ったので憧れがあったと思います。だからコロッと騙されたんですよ。
* * *
……そうだったんですねえ。でも、涼真さんはそのおかげで「あのむす」で一番大化けしたキャラに成長しましたね。最後に美葉ちゃんに「もう、寄り道はお仕舞い。美葉が帰りたいところに、帰り。」という涼真さんのカッコ良かったこと! 涼真さんが次作に出てこないと聞いて、残念に思うようになってしまいました笑
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