リクエスト翔太編
最近はまってるというか、そういう物がある。
最近やりだしたのは今度は裁縫だった。
ミシンを買って、スカートを縫う。
巻き付けるタイプのスカートを作って、休みの日に出かけるのだ。
ミシンを買ったのは手芸専門店を営んでいる、翔太の店でだった。
正確に言えば翔太の母親がやってる店だが。
スカートを縫っている時に言われたことがある。
今度俺がワンピース作るんで着てもらってもいいですか?と。
なら、交換できるように自分はスラックスを作ると言った。
結果、こうなっている。
二人でミシンを持ち寄って、ダダダダダダダダ、音をさせて服を作っている。
ミシンってあれだけ精密機器なのに、あんな安い値段で買えるんだねと驚いたものだ。
6万出せばプロの使うものが買えてしまったのだ。
縫い方を変えて幾つも縫える、そのミシンは最高の一言に尽きるだろう。
スカートの裾を縫えるのだから、これは良いと言いたくなる。
普通のミシンだとただの直線縫いなため、スカートの裾は縫えないのだ。
スラックスを縫っていると、翔太が一度裾合わせてきていいっすかという。
確かにサイズを微調整したいと思っていた。
なのでマチバリを持って脱衣所に向かった。
裾が切りっぱなしになっているのを折り返して、そこにマチバリを刺す。
そしてゆっくりと脱いで貰った。
「いいのが出来そうでしょ?」
「ええ。俺ぁ嬉しいっす!」
「私も!」
着てもらえるものが出来上がるのが嬉しくて、にっこりと笑みを浮かべれば、翔太も笑みを浮かべて照れくさそうだった。
そんな中、七海が遊びから帰ってきた。
近所のやなちゃん家で遊ぶと出て行ったのだが、戻ってきた。
「お帰り七海」
「お帰りなさい七海ちゃん」
「ただいま!………おきゃくさま?」
「そうだよ、以前会った事あるでしょ?翔太君」
今日はズボンを作って渡すことにしたのと言えばそうなんだと一言。
そっけない様子だけれどどうかしたのかなと思っていれば、そう言えばと七海が言って――。
「告白しないの?しょうたお兄ちゃん」
「え、はぇあ!?」
そう言えばと翔太が言う、そして×××はと言えば、何を言われたか分からずに、首を傾げているのだった。
何を、何だって?
「せ、せせせ、先輩!おれ、あんたのこと、好きっす」
「え………そ、そうなんだ?って、えええ?! え、あれって本気だったの?」
父親に言った事はが事実かと問えば、そうだと言う。
本当に辰巳翔太は、×××が欲しいのかと問えば、そうだと言う。
ジョークだと思ってたんだと言われると、何でっすかと言う翔太。
だって――
「だってだって、告白だってされてないし、それどころか付き合ってることもない。なのに皆もおかしいし、本気だなんて思わないよ。乗りみたいな感じで言ってたじゃないか」
と言われると、翔太が確かにそうっすねと告げた。
だが、真剣な表情をして翔太が言うのだ。
「真実先輩を愛しているから、ですよ」
と。
愛まで言われたと驚いていれば、安立さんはいいの?と言われる。
七海?
「七海、安立さんにも告白されたの知ってるから、だから良いの?って言う」
「え、ででででも、どうしたらいいの?」
「おれ、待ちますから!いつまででも!だから俺を選んでください!」
「ひぇ、」
そうしてその日は二人で作る裁縫は終わった。
その後、七海に膝を詰めて話し合いをしたいと言うと、どうぞと言われる。
何だか今日はやけに静かで表情が無い七海。
どうしたのだろう?
「あの、あのね七海。どうして翔太が告白していないのとか分かるの?」
「七海そう言うの分かるの。人のかんがえてる事とか、分かっちゃうんだ。だからなるべく静かに笑顔で居るようにしてるの。お姉ちゃんのそばにいたいから、言うつもりなかったけど、知った上で受け止めて欲しいなって思う」
「七海………ええと、まずは教えてくれて、ありがとうね」
「え?………う、うん」
「それと、七海はじゃあ考えが全員読めちゃうの?」
「ううん、ほとんどが悪い感情だけ分かるみたい。昨日はなんで告白したのに分かってくれねえんだろとか、しょうたお兄ちゃん言ってたから」
「ああ。道理で」
「でも安立さんとかお父さんとかと、お姉ちゃんには付き合ってほしい」
「そっか………」
そこで何で安立が出て来るのか分からないが、叔父と付き合ってほしいと言う言葉に思考を持っていかれる。
どうしたらいいのだろうか、元から言った方がいいと思っていたとはいえ、そろそろ知る年代になっていると思った方がいいのだろうか?
「あのね、七海のお父さんとは付き合ったらいけないって法律に有るんだよ?」
「そうなの?」
そこで掻い摘んで叔父と姪が結婚できない事を伝えると、だったら安立が居ると言うのだ。
それか、叔父とは結婚しないでこのままの関係でいいと言う。
それは無理だ。
だって私だって幸せになりたい。
結婚がしたいから。
「じゃあ、安立さんだ。安立さん、おうちに私が行くのいいって言ってたから」
「そうなの?二世帯同居ってことか、ふうん?」
安立と藤原凌士が共に並んで生活すると言うのが面白いなと思い、苦笑する。
けれどそこに×××が一人挟まることで生活が出来ると思われている。
どういう事なのだろう?
七海の考えが良く分からない。
だからそのまま言ってみると、大きな家で四人で暮らすのと言われてしまった。
まあ、七海の考えを潰すのは可哀想だから、それでもいいよと言ってみると、えへへと笑みを浮かべられた。
「約束だからね!」
「う、うん。約束ね」
後で分かるよねと思いながら、話を終えた。
これが後々でどんな結果を生むかは、まだ知らないのだった。
*****
業務用にはかなわないでしょうが、プロ仕様で6万位の奴以前見かけて買ったことがあります。
母にプレゼントしたやつなんですけど。
更新終わる前に言われた奴だと叔父人気低いww加藤もwww
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