クラフター大会を満喫する7
「ほら早くそこから抜け出しなさい。今回は冷静に判断したのは偉かったわね」
「ありがとうございます。ここで終わりかと思いました」
エリアを一周しましたが出口はなく、氷の女王を倒さなければゲームオーバーになるということが分かりました。分析は得意じゃないですが観察は得意なので様子を見ることにします。
『氷の女王は呪いにかかっている』
『氷の女王は呪いを解除しようと苦しんでいる』
『氷の女王は呪いにより我を失っている』
『氷の女王はかつてスノー王国の女王であった』
?! 氷の女王は寂しさから暴れているのでしょうか。それとも呪いのせいで暴走しているのでしょうか。弱点を見極めようとしたのにまさかのバットステータスが見えてくるなんて、でもバットステータスを解決することが出来れば仲間になってくれそうですね。確か私の鎧にはマイナス効果を消し去るパージというスキルがあったはずなので使ってみたら効果があるかもしれません。しかし効果範囲が1メートルしかないため近づく必要がありますね。捨て身の突撃をしては外してしまいそうなのでちひろに手伝ってもらいます。
「ええいいわよ。それを使ってみてどうなるか試してみましょう。私が反対側に走ってスキルを使ってヘイトを取るからその隙にパージしてみてちょうだい」
「分かりました。少しでも危ないと思ったらすぐに戻ってきてください。HPパンとMPパンで耐えてください」
3・2・1の合図でちひろが反対側に向かってテレポートを使いながら移動を始めました。氷の女王のヘイトはまだ私の方にあるみたいでちひろへ見向きもしません。ちひろがスキルを使える位置に移動するまでもうちょっとだけ耐えます。
そろそろシールドを張るMPも無くなってきました。MPのゲージが黒くなりMPは付きましたがぎりぎりでターゲットは変わってくれました。
『氷の女王はちひろにターゲットが変わった』
『氷の女王は後ろを向いた』
『氷の女王は走り出した』
今です! ブリンクを使いながら氷の女王めがけて一直線に走ります。振り向かれてもパージを入れることができれば助かる可能性だってあります。
「とどけーーーーー」
「汝いつの間にその間合いに入り込んだ。汝強敵と認めよう」
スキルの間合いに入りパージを使うと氷の女王はもがき苦しみながら天を見上げ始めました。
『これが童の記憶。これが童のストーリー。何故だ何故童はこのような間違いをしたのだ。一体どこで何を間違えたというのだ』
『氷の女王を討伐せよをクリアしました』
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