クラフター大会を満喫する6
どーんと地面が裂けるほどの大きな音と共に氷の柱が地面から出てきました。少しだけ遅かったらあの柱に貫かれていたと考えるとゾッとします。さっきからちひろの方をみると何も攻撃されていないように見えます。もしかして氷の女王は私を集中砲火しているのでしょうか。
「あ、ここに逃げたら囲まれる」
唯一の逃げられる場所にも氷の柱が出てきました。絶体絶命のピンチこんな時は焦らずに、助かる方法を探すことが重要だと教わりました。しかし、何をしても抜けられなそうな状況で頭上からは氷の天井が徐々に落ちてきています。こんな死因で大会を負けたら笑いものにされちゃいます。あれやこれを考えていると氷の女王が話しかけてきました。
「汝は誰だ。何故だ何故その装備を汝が持っている。その武器はクラフターの神が認めた人の子に授けたとされるユニーク装備ではないか。汝が認められたものには見えん」
「作りました? というか勝手に出来ちゃいました。これが誰かの装備ならお返ししないといけませんがハンドメイドなので私のものです。だから攻撃をやめてくれませんか?」
「ならば汝はクラフターの神に認められたクラフターということになるのだな? それならその装備を持っているのも納得だ。しかし、神印が押されていないではないか! やはり盗品の可能性も捨てきれぬな」
「たまたま出来ちゃったので神に認められていないかもしれません。でも認められたとしても確認する方法もありませんし、私は盗むようなことはしない健全な人間です! いい加減認めてくれてもいいじゃないですか!」
そんな必死の訴えも聞こえないかのように天井の氷はゆっくりと落ちてきていて、死へのカウントダウンが迫っています。でもこんなに凍死するくらい寒そうなのに少ししか寒くないのはいいことです。そんなこと思ってる余裕があるのか? あるはずないです。足元がブルブルしていてログアウトボタンを押したいくらい不快な思いをしていますよ。
諦めかけていると今度は大きな爆発音と共に周りの氷が溶け始めました。
「少しは声を出しなさい。捕まったことに気づかなかったらどうするつもりだったのかしら? まさかログアウトボタン押して逃げるつもりだったとか考えていないわよね?」
「そんなこと思うはずないじゃないですか! ち、誓って思ってません」
「そう、嘘なら天井の氷は溶かさないわよ? 自分でどうにかしなさい」
「分かりました。嘘ですごめんなさい。助けて下さーーーーーい
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