クラフター大会を満喫する8
これでよかったのでしょうか。一体これで良かったのでしょうか。もう少し激しい戦闘になると思っていたのにパージ入れたら即終了。何か私が覚悟を決めるとかなんとか言ってたのが恥ずかしいです。丹精込めて作ったパンを頬張りながらもむかむかとする気持ちと羞恥が交互に襲ってきて、まだ顔が赤いままです。
「あら、どうしたの。勝利したんだからもっと喜ぶべきだと思うのは私だけかしら? それとも何か嫌なことでもあった?」
「いや! そうじゃないんです。何か自分の中で色々と葛藤があったというか。これで良かったのかなみたいなことを考えていました」
「あら、そう。面倒くさい女は嫌われやすいから少しは、気を付けたほうがいいわよ? 私は嫌いにならないから安心していいけど」
こ・れ・は愛の告白! 漫画でよく見るシーンですよね。これはツンデレというやつですか? それともツンデレに似た何かですかね。ちひろは自分が何ていうことを口にしたんだという表情で口を手で覆いながら少しだけ頬が赤く染まってきています。普段はクールでさばさばしているのにこういう表情もするのか! と意外なことも分かったのである意味良かったのかもしれません?
そんなやり取りをしていると上層へつながる出口のドアの鍵がアンロックされて進めるようになりました。ここが最後の関門だと思いうきうきしながら階段を上っていくとついに頂上へ到着しました。日の光が遮断されて真っ暗な部屋の中に足を踏み入れると虹色に輝くキャンドルに火が付きあたりを照らし始めました。さらに奥の部屋が見えてきて石碑のようなものがありました。とりあえずここに触れてね! みたいな手の印のところに置いてみる……。
「おめでとうございます。氷の女王フブミーの霊魂を手に入れました。このアイテムは大会限定ではなく通常フィールドでも使用することができます』
『フブミーの霊魂、この霊魂を使用するとフブミーの力を借りることができる。その代わり認められているもの以外が使用するとフブミーが怒り敵対行動に移る。現在の所有者クワナ。契約者クワナ』
「あら、ずいぶんと心強いものを手に入れたわね。これ大会限定アイテムじゃないってことは一般フィールドでも使いたい放題じゃない! クワナおめでとう。これでまた変なクラフターって噂されるわね」
「まーーーーたーーーーそうやって、焦られることを言わないでくださいよ! 絶対さっきの仕返しですよね! こんなことしちゃいけません!」
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