∞23【父の得意技】
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『こっちも攻撃する』と言っておきながら父は相変わらず、ただアゾロの連続攻撃をゆらゆらと体を揺らしながら避けるだけだった。
たまにアゾロの棒切れの一撃を木剣の剣先の切落しで打ち落としたりもするが、それも『攻撃』という程じゃない。
明らかな違いはさっきまでの父との攻防の時よりもアゾロ側の消耗が激しい、ということだ。
(──なにこれ?いつの間にか息苦しい……)
体力が尽きた訳でもないのに、アゾロは次第に連打を打つのが苦しくなってきている。呼吸を整えようにも、父が強く踏み込んでくるためアゾロにはままならなかった。
アゾロの打撃は『一番威力を出せるポイント』までたどり着く前に、ことごとく父の木剣の『切落し』に撃ち落とされている。棒切れを持つアゾロの手は、父の木剣の『切落し』を受けて徐々に痺れてきていた。
切落し。
剣で防御的に切り払うのではなく、相手の構えの隙や攻撃の出掛かりを狙って相手の剣身の
父の得意技でもある。
しかし、父のそれは練磨を重ね、もはや『必殺技』と呼んでも差し支えないレベルにまで達していた。
アゾロは気づかないが、打撃の出掛かりに父の木剣の切落しを棒切れの背に受けるたびに、棒切れを持つアゾロの手首に『カウンター』と同じ効果が発生している。
そして父の切落しを受けるたびに、徐々に徐々に気付かないくらい無意識的に、アゾロは後退していた。
…To Be Continued.
⇒Next Episode.
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