∞20【攻撃は最大の防御なり】
≈≈≈
≈≈≈
「……はよ拾え」
父は呆れたように娘に言った。
木剣で肩をトントンしながら待っててあげたのに、この娘ときたら『フぅッ!』って変な息吐いて、あろうことか素手で構えたのだ。
自分の武器折った相手に素手で戦えるわけないのに。
「いいの?」
「いいよ。はよ拾え」
父からそう言われたアゾロは、父の足元に落ちていた六尺棒を拾いに行った。六尺棒は二つにブチ折れて『四尺と二尺の棒切れ』になってしまっている。
アゾロがそれを両手に持って少し振ってみると、意外と短い武器二本の方がしっくりきた。しかも、短い武器の方が丘から吹き下ろす『風の影響』も受けにくい。
アゾロは二本の棒切れをヒュンヒュン振り回しながら、チラッと父を見る。父はまだ木剣で肩をトントンしながらアゾロを待っている。
さっき、アゾロは油断していた訳ではない。
父の動きは迅く鋭い。しかも正確だ。
さっきの斬撃だって風向きや高低差が関係ない状況でも避けられたかどうか。
ならば、わたしに出来ることはひとつ!
「攻撃は最大の防御なり!」
アゾロはそう叫んだあとで父に向かって全速力で突っ込んでいった。
一見無謀に見えるアゾロのその行動を見て、父はこうつぶやいた。
「……やっと『手合わせ』ができるな」
…To Be Continued.
⇒Next Episode.
≈≈≈
≈≈≈
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます