猫カフェに行った。

七月分。



特に何の予定もないままふらりと街を歩いていた権三。

ふと人ごみの中に見知った顔の人物がいた。

すぐさま彼女は声をかける。


「そーげつーくーんー。」


叫ばれた彼はこちらに振り向き手を振った。


彼女は彼の方に駆け寄り、彼の予定を尋ねた。


「今からさ、猫カフェに行こうとおもってたんだけど、一緒にどう?この後予定空いてる?」


彼はスマホを取り出し。おもむろに予定を確認する。どうやら暇だったらしく返事をする。


「いいよ。今日は予定はいっていないし。で、どこにいくの。」


そういわれた彼女はあっちと指を刺した。

それに納得した彼はじゃあ行こうかといって、二人は歩きだした。


店に到着した二人は案内された席に座る。座るとすぐにある一匹の猫があなたたちをもてなすようにこちらにち近づいてくる。

白い毛並みと桃色の瞳。首元を見てみると【メイ】と書いてある。


権三は猫を目の前にして融けた。


「猫ちゃ~かわいいいいいいいいいいい。」


そんな中一緒に来た彼の方はというと、猫が寄ってたかって集まっていた。それはもう彼は毛玉の化身となったのだ。


彼の方に様子を尋ねると無言のサムズアップで返してきた。


しばらくすると蒼月に群がっていた猫たちはとたんに興味をなくし、そそくさと自分の持ち場に帰っていったのであった。


「大丈夫だった?」


そう彼女が言うが、蒼月はこういうこのに慣れているのか。


「大丈夫、猫に会うとよくあるから。」


と返した。


そのあとまた別の猫がきた。

その猫は黒い美しい毛並みを持っていたが、緑色に輝く瞳がみっつあるような気もするし、尻尾も二つある気がする。


でも、そんな生物いるわけがないw

きっと猫を前に、人類の知能が融けているだけに過ぎない。


「あら~^^この子もメイっていうのねぇ。かわいいねぇ。」


今日は何かに気づいたようだが、知らないふりを続け、猫じゃらしで遊んでいる。


もう長い間猫を満喫した二人はこの「冒涜的ではない猫カフェ」を後にしたのであった。


彼は買い物に行くらしくそれに彼女はついていくことにした。


彼はとてつもない量を買っている気がするがまあ気にしないでおこう。


帰路についた二人。いつもとは違う方向に進む彼に話しかける。


「いつもの事務所の方じゃないけどどこにいくの?」


「うーん、なんといえばいいかな。一言で言うなら本邸?」


しばらく歩いてついた先にあったのは立派なお屋敷だった。


そこには窓拭き掃除をしている紫月君がいた。どうやら集中しているようでこちらには気づいていないようだ。あまりに真剣に掃除をしている彼を見て、今はそっとしておこうと思った。


キッチンで何やら料理の仕込みをしているようで、しばらくすると紫月君も合流してきた。


どうやら仕込みがひと段落したところで休憩をするらしく、いつの間にか焼いていたシフォンケーキと紅茶を用意し、休憩を始めた。


どうやら、もうすぐこの家の主であるお嬢様が帰ってくるらしくその準備で料理の仕込みをしていたようだ。


学校の方にはこの連休明けから来るらしい。いったいどういう女なんだろうな。

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