守れなかった

かいとも

約束

 今から8国の王家達の会議があるけど…

 なにも起きなければいいな…

 今回の会議はこの国アラミスで行われる。

 7国の王家達は、国が狙われないように護衛をつけていない。

 だから王家がいない国を狙うより、会議が行われる国が狙われる。

 だが、闇ギルドを全滅させたから、危険は無いが…

 気を付けなければいけない。

 まあ、闇ギルドを全滅させてから、数年の会議はなにも起きてない。

 大丈夫だろう…多分。


「師匠!」

「ミナン王女どうかなされましたか?」

「ミナン王女は辞めて!師匠にはミナンって呼ばれたい!」

「場所があるだろ場所が!

それに今は会議中、そして俺は護衛として雇われているんだ。

ミナンの事は、ミナン王女と呼ばなければいけないんだ」

「うー…なんにも言えない!」

「てか、会議はいいのか?」

「全然大丈夫だよ!お父様とお母様が会議にいるし。

皆は自分の国にいるから、「会議に参加しなくていいよ!」って言われてるからね!」

「そうか。

アランは何しているんだ?」

「アランもここに来るよ!」

「師匠ー!」

「噂をすればだね」

「アランも来たのか」

「来るに決まっていますよ!暇だから!」

「そうかそうか」

「カンカンカンカンカン」

「緊急の鐘!?」


<緊急の鐘。

 緊急事態が起きると鳴る>


「ミナン王女とアランは会議場に行ってくれ!」

「師匠は来ないんですか?」

「師匠は来ないんですか?」

「俺は何が緊急なのかを確認する」

「師匠が行くなら僕も行きます!」

「私も行きます!」

「お前らは来るな!アラミス様の言う事を聴いているんだ!」

「嫌です!僕達は師匠の弟子です!」

「そうです!だからお供させてください!」

「なら…これは師匠命令だ!会議場に行け!」

「師匠それは酷いです!」

「アラン行きましょう」

「ミナンなんで!?

君だってお供する!って言っていたじゃないか!」

「師匠からの命令よ?私達が足を引っ張るかもしれない…」

「ミナン王女の言う通りだ!これは緊急だ!

何が起きているか観ないといけない!」

「分かった!だけど…生きて帰ってきてね?」

「ああ!もちろん生きて帰ってくる!」


 やっと行ったか…

 緊急の鐘が鳴るなんて久々に聴いたよ…


<カランは王宮から外に出るために、窓から飛び出した>


 嘘だろ…魔物のキングやクイーンが…100体以上…

 いや…500体以上いないか?

 キングやクイーンは部下の魔物もつれている…

 その数は少なくても100体…

 ヤバすぎるだろ…約5万体以上は確定でいる?


「この数はヤバすぎるな」

「アラミス様!?会議場に居なくて大丈夫なんですか?」

「大丈夫だ。

俺の眷属が居てくれている。

それと俺の眷属達が、国民を王宮に連れてこさせている」

「そうですか…この数の魔物…

誰かが魔力をあげて、育てたしか考えれませんよね?」

「そうだな…だがそれを知る為には、魔物を倒さないと行けない」

「なら俺が討伐しますよ!

討伐は俺だけでします!」

「!?なに言ってる!お前でも生きて帰れないぞ!?」

「生きて帰るつもりはありませんよ。

誰かが討伐しないと、他の国にも被害が起きます。

俺はアラミス国1番最強の男ですよ?」

「そうか…すまないな…無理だったら帰ってこいよ!」

「分かりました。

弟子達が来ないようにお願いしますね」

「出来たらやるよ」

「お願いしますね」


 キングやクイーンは倒せないが、全属性の槍の雨を使うか。

 周りの雑魚魔物は倒せるだろう。


「全属性の槍の雨」


 やっぱり雑魚魔物は全員倒せるが…

 キングとクイーンは倒せないな。

 だけど簡単な仕事をすればいい。

 心臓を刺すか、頭を切り落とすだけだ。


「覚醒 限界突破」


<その頃の王宮は>


「国民の皆集まったな。

他国に今からワープをする!

ワープする所はこちらで決めさせて貰った。

違う国にワープしたい理由があったら、ワープした神に言ってくれ」


 雑魚の魔物が全員倒されている。

 やはりキングとクイーンは簡単に倒せないか。

 もしかしたら…キングとクイーンを育てていたのは…魔人?

 それも…魔力が高い魔人の可能性が?

 とりあえず国民をワープし終わったら、カランに伝えに行かなくては。


「アラミス様!」

「どうした?ランガ」


<ランガ

 アラミス国の王>


「ミナンとアラン君が見当たらないのです!」

「は?なぜだ…ミナンとアランと一緒に居なかったのか?」

「一緒には居たのですが…気付いたら居なくて…」

「分かった。

ミナンとアランは眷属と探す。

ランガ達もワープしに行ってくれ」

「ですが…」

「大丈夫だ。

必ず見つけだす。

親が死んだら悲しむだろ?ワープしに行ってくれ」

「分かりました。

ミナンとアラン君の事お願いします!」

「任せろ!」


 ミナンとアランが消えた…いったいなぜ…

 まさか…いや…だが…

 可能性が1番高い!カランの所に言っているかも知れない。

 眷属には国の周りを探して貰おう。


「皆の者!ミナンとアランが姿を消した。

すまないが国の周りを探してくれないか?」


<眷属達は。

「もちろんです!探すに決まってますよ!」>


 よし!俺はカランの所に行くか。


<ミナンとアラン>


「やっぱり師匠強いな!」

「そうね。

キングやクイーンがどんどん倒されていく」

「これって…僕達行く意味あるのかな?」

「そうよね…帰る?」

「ここまで来たんだ!もしかしたらがあるかもしれない!

向かおう!」

「そうね」


 残りの魔物は100体ぐらいか…

 魔物を育てた黒幕は居ないのか?

 だが…魔物を育てているなら…近くに居るはず。


<魔法がカランの所いや…カランに当てようとしていない>


 魔法を外した?いや…後ろに魔法を放った?

 いや…俺が動いているから、当たるかもと放った?

 それなら…魔法を放つ意味ないよな?

 もしかして…後ろにだれか居る?まさかな…ガチである?


<魔法を放たれていたのは…ミナンとアランだった>


「魔法がこっちに!?」

「流れ魔法なのかな?」

「師匠は覚醒と限界突破を使ったはず…

タイムリミットもあるから、速く向かおう!」

「そうだね!」


 ふう…魔物は倒し終わったが…黒幕がまだ出ていない。


「魔物を育てた黒幕かな?

出てきたらどうだ?

魔法も放っているんだ、魔物の魔法ではないと分かっているが?

それでも出ないのか?」


「あー倒されちゃったか…

流石だな…アラミス国で1番最強の男」

「なぜ…アイラン国の王の補佐をしている貴方がなぜここに」

「なぜ?そんなの…魔人が人間の国を支配したら駄目か!?

魔人は人間よりも強いんだ!

だから人間の国を支配するために、同じ事を思っている同士達で育てたのに…

たった1人の人間に倒されるとは」

「同士?魔法は1人だけ放っていたはずだ」

「なあ…もし大切な者がこっちに来ていたらどうする?」

「は?」

「師匠ー!」

「師匠ー!」


<カランには聴きたくない声と言葉が聴こえた>


「今だ!放て!」


 ヤバい!この魔力の魔法…なぜ気付かなかったんだ!

 こっちに2人が近付いている。

 2人が受ければ…死ぬ!


「ワープ」


「師匠!」

「師匠!」

「俺から離れるな!」

「ミナンとアランに全魔力結界」


 魔力不足で俺は確実に死ぬ。

 魔力回復ポーション

「2/4魔力結界」


<魔力結界でミナンとアランは助かった。

 ミナンとアランだけは。

 カランは重症>


「師匠!」

「師匠!」

「アラミス国1番最強のカランが重症だ!攻めろ!」


 あー…2人が泣いてる…これじゃあ…怒りに任せて…殺すかもしれない…


「束縛…強睡…」


「泣かないでくれ…」

「師匠喋らないで!死んじゃう!」

「私達が来なければ」

「人な…何回も間違える…その間違えを…次に…いかしたらいい…」

「嫌だ!」

「師匠!」

「罪悪感を…持つな…これは…俺の行動だ…」


「カラン!」

「アラミス様…黒幕は…寝ています…」

「すまない…俺がみていたら…」

「泣かないで…ください…

ここで死ぬのが…俺の運命なんですよ…

約束…守れなくて…ごめん…」


<国を守る事は出来たが。

 3人との約束。

 生きて帰る。

 は守れなかった>

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守れなかった かいとも @kaitomo

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