2話(10)

 「いや~、鬼龍院先輩厳しいね」


 「ね! あの人、本当ケチ」


 「ありす! 先輩のことケチとか言わないの!」


 今、私は樹理ちゃんとありすと一緒に下校している。


 高校の友達と幼馴染みが会話してるのって、なんだか不思議な感覚かも。


 酒天童子は、ありすに見つかるとちょっと厄介なことになりそうだからチョコを対価にバッグの中で大人しくしてもらっている。


 「というか、新聞書けるの久しぶりだよね! 楽しみ!」


 樹理ちゃんはそう言って張り切ってる様子だ。

 私も楽しみ! と同意すると、樹理ちゃんはにっこりと笑った。


 「とりあえず、明日は聞き込みだっけ?」


 「そうだね! それで……ありすも来るんだっけ?」


 「うん」


 さっき鬼龍院先輩がありすに第二条件を出したあと、明日の部活動についてみんなで話し合ったんだ。


 聞き込みにいくってことが決まったら、ありすが「じゃあ私も行く」といって聞かなくなった。


 そのあと行く行かないでちょっと揉めたけど、結局迷惑かけないって条件でついてくることになったんだよね……。

 明日の聞き込み、どうなるかちょっと不安かも。


 「明日の放課後は一緒にいられるね、しょこらちゃん!」


 私の心配をよそに、ありすは上機嫌。

 もう、人の気も知らないで…!!

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