2話(3)
「なんでありすがここに!?」
「ふふ、びっくりした? 最近新聞部に入り浸ってて構ってくれないから、来ちゃった!」
ありすはニコニコでそう答える。
来ちゃったって……。
「あ、あの……あなた、誰?」
鈴木先輩がありすに問いかける。
「私は花瀬 愛莉鈴! 二年生だよ~。今日は、しょこらちゃんを貰いにきました~!」
「しょこらちゃんっていうのは……」
「しょこらちゃんはねぇ、翔子ちゃんのことだよ! しょこらちゃん、チョコレート好きでしょう? だから、しょこらちゃんって呼んでるんだぁ」
「って、ありす! その呼び方やめてっていったじゃん!」
そのあだ名、小さい頃はお気に入りだったけど、今はすっごく恥ずかしい。だから、いつもやめてって言ってたのに……!
「えー! しょこらちゃんって、可愛い! 私もそう呼ぼうかなぁ」
「ちょっと、樹理ちゃん……!」
「ね、可愛い! しょこらちゃーん!」
「鈴木先輩まで……!」
うぅ、だからやめてほしかったのに……。
「そういえば、しょこらちゃんと花瀬先輩ってどういう関係性?」
しれっとしょこらちゃん呼びをする樹理ちゃんにつっこむ間もなく、ありすは答える。
「幼馴染みだよ~。 家、隣だもんね、しょこらちゃん!」
「まぁ……腐れ縁、かな」
「えー! ひどいなぁ、しょこらちゃんってば」
「おい」
鬼龍院先輩の声が私たちのやり取りを遮る。
「部外者はどっかいってくれ、うるさい。ここ、部室だから。」
「鬼龍院!! またそんな言い方して」
「悪い? うるさいのは本当だろ。邪魔。」
うっ……。たしかに今回は、鬼龍院先輩が一理あるかも。
私はちらっとありすの方を見る。落ち込んでるかな……?
そう思ってたけど、ありすちゃんは笑顔を崩さず鬼龍院先輩を指差す。
「この人、先輩?」
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