2話(2)

 その足音は、段々とこちらに近付いてくる。


 トットットットッ……


 先輩たちと樹理ちゃんもその足音に気付いたのか、部室は一気に静かになる。


 「これってもしかして、妖怪……!?」


 「いや、そんな……」


 トットットットッ…


 「足音、めちゃめちゃ近くない…!?」


 「まさか、本当に妖怪なんじゃ」


 私がそういった途端、足音が止む。

 これ、部室のドアの前にいるんじゃないの!?


 心臓がバクバク言っているのを感じる。うぅ……怖い!!


 鬼龍院先輩が椅子から立ち、私たちを庇うように前に立つ。

 こういうとき、鬼龍院先輩はとても頼もしく思える。


 ガチャ


 そう音をたて、部室のドアが開く。

 一体、誰なの!?


 「しょこらちゃん、やっほ~! 遊びにきちゃった!」


 「って、ありす!?」


 そこにいたのは、金色の長髪を揺らした私の幼馴染みだった。

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