ニートの有効活用

僕は現在めちゃくちゃ自堕落なニート生活を送っている。

親のすねかじりクソニートはさっさと働けなんて声が聞こえてきそうだが、僕にはそんな必要は全くない。

なぜなら、僕には一生だらだら過ごすのには十分すぎるくらいの資産があるからだ。

具体的に言うと大体3億円くらい。

どうせ親の遺産だろって。

何を言われようがこのお金は僕がしっかりと稼いだお金だ。

なんだ3億円か3億円くらいじゃいつか底つきる可能性あるやろ。

そう思った人もいるかもしれない。

僕も馬鹿じゃないので一応考えてある。

今住んでいるのは郊外の一軒家で持ち家だ。

つまり家賃を払う必要がない。

もちろん修繕費や税金などはかかるが、同じ広さの家の家賃よりかは遥かに安い。

そのお金の大半を株や社債にぶち込んでいるので月に百万円くらいの収入があるのだ。

だからこそだらだら何もせず適当に生きていける。

今日もだらだらyoutubeを見ていたらもう一時か眠いしそろそろ寝るとしよう。

そんな事を考えながらベットでだらだらと過ごしている時だった。



「やあやあ聞こえておるか?」


どこからか若干生意気でムカつく系のロリ声が聞こえてきた。


「聞こえてはいますけど」


「ならもっとしっかり返事をせんか」


全くもって理解が追いつかない。

どんな姿をしているのだろうかと見ようとしたが何も見えない。


「あのー目が見えないのですがこれって視界を奪われたってことですかね?」


相手がどんな奴変わらんからとりあえずは下手に出ることにした。

気に食わないけど変に動いて殺されたらシャレにならん。


「えっ。あー忘れてた」


こいつ人の事を何だと思ってるんだろう。

視界ってだいぶ大切だよな。


「うわっ眩し」


急に視界が戻ってきたので、目が痛い。

なんなんこいつ。

少しは気を遣ってゆっくり明るくするとか工夫しろよ。


「ねえ見えた?見えた?」


小生意気な声を聴いていたら明るさに目が慣れてきて、ようやく顔も見えてきた。

姿は予想通りのロリで普通に可愛い。


「それで僕に何の用ですか?」


「もっと驚けよ!可愛い可愛いロリだろ。」


確かに可愛い気もするが別にロリコンでもないし、驚くほど可愛いかと言われれば浜辺美波の方が可愛いと思う。

別にそこまでロリコンでもないし。


「おっかしいなあ。日本人は皆ロリコンだって聞いたのに騙された。」


日本人は確かにロリに寛容な国ではある気もするが、全員ロリコンは言い過ぎだろ。


「もうそんな話どうでもいいんで、さっさと本題にはいってもらっていいですか?」


「うるさい!私に指図するな!下民」


自称ロリが早速本性を現した。

急に下民とか流石にやば過ぎる。

普通にドン引きだわ。

性格が悪いロリはお断りだ。


「私がわざわざ現れてやった理由それは、お前どうにかするためだ。」


「ん?」


自称ロリがドヤ顔上から目線でなんか言ってるが、余計なお世話過ぎる。

しっかりと自立して暮らしているし、何か言われる筋合い全くもってないはずだ。

何か犯罪をやったり人に迷惑をかけているわけでもないし。

なのにどうにかしてやるとか意味わからん。


「あ、はい。心配していただきありがとうございます。見ての通り自立した生活もできておりますので、ご心配には及びませんのでおかえりください。」


「なーに帰らそうとしてんだよ。この私がわざわざ来てやったんだからひれ伏しなさいよ。」


マジこのクソガキなんなん。

なんでこんなに上から目線なん。


「いや、本当に間に合ってますんで。」


「だから、私も来たくて来てるわけじゃないの。わかる?ねえ、わかってる?」


見た目は悪くないが性格が終わってやがる。

いくら見た目がよくてもここまで初対面の人に悪態をつくのはないわ。

正直ドン引き。


「それで結局具体的にどんな御用なんですか?」


「あーもうごちゃごちゃうるさいな。今から話すからよく聞けよ。わたしがわざわざやってきた理由それは、お前を有効活用してやるためだ。」


「は?」


なんだこいつ。

有効活用とか意味わかんないことほざいてるし。


「で、有効活用ってなんすか?」


「なんかよくわからんけど、地球にニートがあふれてるらしくて、困ってたんだけどなんかほかの世界では人が足りないらしいからそこに飛ばせばいいんじゃねってなったってわけ。」


ん?

まったくもって意味が分からん。


「ちょっと意味が分かんないのでもう少し詳しく教えてもらえませんか?」


「本当にお前はうるさいな。一発で理解しろよ。だから……」


しばらく説明をされたがとにかくわかりづらい。

こいつの説明はよくわからないので自分の頭で、自分なりに整理をした。


なんかよくわからんけどこの世を司る神という存在がいる。

けれどもこの世は広く、とてもじゃないが一人では管理しきれずに、部下を持ち作業を分担をして管理をしている。

それでこいつが日本の担当で、上司との面談で日本のニートの多さを対策するように言われ、とある指令を出された。

その名も『ニートの有効活用』だそうだ。

そのまんま過ぎる点は一旦おいといて内容としては、地球にいるニートを発展途上な世界や滅亡しかけな世界などに送り込み、人工的に人口増加をさせてどうにかしようって作戦だ。

なんてふざけたプロジェクトなんだと思うがなにやら本気らしい。

ニートにランクを付けランクが高いニートは発展途上の世界に、ランクが低いニートは十分に発展しているが人の足りていない世界に送りより効果的にニートを利用する。

その中で僕のランクは喜んで良いのか悲しむべきか最高ランクらしい。

最高ランクに選ばれた理由は本当は優秀で、世界を良くも悪くも変えてしまえるだけの力があるからだそうだ。

そりゃ働いてないだけで今までは働いてたし、高学歴だし元々は年収もめちゃくちゃ高かったし働く必要があれば働く。

ただ無駄な努力をするなんて馬鹿がやることだと思ってるだけだもん。

あたり前といえば当たり前だ。


「理解した?理解したよね」


「まあ、何となく」


「まあ、そんなわけで君を異世界に連れて行くから。でもいきなり連れていくのはかわいそうだから、明日の朝また迎えに来るからそれまでに準備しといてね」


「え?あ、はい」


そしてまた謎の光に包まれた。

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