第15話



テレパシーもアイテムボックスも、自分自身に付与されているためか、簡単に使うことが出来た。

テレパシーは電話の延長みたいな感じで、それほど違和感は無い。アイテムボックスの亜空間を感じる感覚は少し慣れるまで時間がかかりそう。これまで無かった感覚だからね。

あとで亜空間って何なのかも教えてもらおう。あるのはわかるし、モノの出し入れもできるのだが、それが何なのかわからなくてもどかしいのだ。

発火や冷凍も練習したいが、今は御神体だ。


「じゃあ巫女の超能力は、例えば火を出す力が御神体にあってそれを使うとかじゃなく、使う本人のイメージ次第でいろいろなことが出来るってこと?」

「ヒールは御神体の力ですぐ使えるわよ。それ以外はどれだけハッキリとイメージできるかが大事ね。あいまいだと弱くなるか、最悪発動しないわ。ハッキリしたイメージをテレパシーで御神体に送ること」

「異世界転移や普通の転移は?」

「そっちはある程度使いこなせるようになってからね。どっちもやってることは同じだから、転移が使えれば異世界転移もつかえるよ、テニアみたいに」

「そうか、テニアは異世界転移初めてやって地球に来たんだもんな。わかった、がんばるよ。それと終わったらまた質問タイムよろしく」

「ダーリン、まるでなんでも知りたがる子供みたいね(笑) 今度はなあに?」

「亜空間と御神体」

「わかった。交渉が終わってからでいいのね?」

「ああ、それでいい」



「いかに異世界人とはいえ、そんなにすぐは言葉話せないだろ?ヒルメイが覚えて教えたにしてもさ。テニアには少しの間迷惑かけることになっちゃうけどごめんな」

「わかったわ。でも家では普通でいいんでしょ?」

「ああ、それはかまわない。あーっと、交渉の後は一応盗聴器仕掛けられてないか確認した方いいな」

「そうね。万一盗聴器があっても外さないでそれっぽいダミー音声流した方がいいと思う。何かあれば相手を誘導できるかもだし」

「出来るか?ヒルメイ」

「まっかせてー!盗聴されてたらね」

「異世界人って信じてもらったとして、多分三人バラバラに聴取されるだろう。そこである程度話は合わせておかないとなんだが・・・」


異世界転移が可能なこと、アイテムボックスと御神体、地球にある管理システム、これらは話せない。テレパシーも伏せておいた方が都合がよさそうだな。


「発火や冷凍はバレてもいいけど、別にこっちから言う必要もないだろう。対処に迷ったらテレパシーで相談しよう。二人はヤバいことになったら転移で逃げろ。俺は地元民だから、最悪のことになっても殺されたりはしないと思う」

「話してなかったけど、御神体には巫女がテニアに引き継がれたあと、機能を追加しておいたの」

「そうなの?」

「うん、事故でウィミス・・・テニアの前の子のことね。死なせちゃったじゃない?悲しかった。もう絶対死なせたりしないって誓ったの」

「シールドとかバリアか?」

「そのとおり。一定以上高速の物は受け止める。それと荷重、ウィミスの時みたいな石が落ちてきたとしても潰されたりしない。大きな荷重でなくても、それが集中していれば受け止めるようになってるから、刃物で切り付けられたり、尖ったもので刺されたりするのも防ぐわよ」

「受け止めるのか?はじくのではなく?」

「はじいたら周辺に被害が出るかもでしょ?」

「なるほど」

「御神体の力だからバレたくないんだけどね。話し合いだけでうまくいくことを祈りましょ?」


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