第14話



「だめぇ!まだちゃんと形覚えられないよぉ?もっとぉ!」

「ダメだテニア!もう無理だって!」

「大丈夫よぉ?わたしが元気にしてあげるぅ」

「やめろヒルメイ!無理っ!アーーー!!!」

・・・・・・・二人に搾り取られる夢を見た。


「目がさめた?ダーリン」

「イツキ?わかる?」

二人がのぞき込んでくる。夢の続きかと一瞬ビビる。


「・・・・・ああ、三日たったのか・・・・ってなんで夢精しとんのじゃあ!!」

「あ、効果バッチリだね!ダーリン」

「そういやオマエ、俺が眠る直前に絶倫にするとか言ってたな?」

「これで弾丸切れの心配ないよー」

そうかこれで死ぬ心配は無い・・・じゃなくて!

「7日間H禁止なんだよな?俺空っぽから3日で夢精したんですけど?」

「わたしたちも我慢してるんだよぉ?7日たったら3人でいーっぱい楽しもうね!!」

「無理だろ!!3日で夢精する奴が4日もつわけねーだろが!!絶倫にするにしてもタイミング考えろ!!」

考え無しすぎるだろ、スーパーAI!

「しょうがないなあ。じゃあ特別だよ!入れるのはダメだけど、テニアと二人、お口でしてあげる!!」

「イツキの味、覚えさせて?」

「よし、わかった!」

結局二人とも発情していつも通り。



「イツキしゅごしゅぎぃ・・・」

「ダーリン、わたしももうだめぇ・・・」

「ふむ、やっと落ち着いたぜ」

だがこれからが心配だ。自分で言うのもなんだが絶倫すぎる。

まあ二人に責任取ってもらえばいいか。

テニアはとばっちりかもしれんが。



「地球のシステムとの話はどうなった?」

「あーそれね、許可はもらったよ・・・ダーリン起こしてぇ」

フラフラのヒルメイ。テニアは無理そうなので寝かせておこう。

「何をしようってわけ?」

「日本にわたしたち二人が異世界から来たってバラすの」

「おい!大丈夫なのかそれ?」

「全部は話さないわよ?異世界転移なんて教えるわけにいかないから、何らかの不明な現象に巻き込まれて、二人が地球に転移してきたことにするわ」

「ふむ、それで?」

「テニアとわたしは友人。わたしの方だけ事故か病気でマイクロマシンの身体になったことにする。で、転移時に何も持ってなかったので、わたしたちの身体を調べていいから、日本に住ませていただけませんか?って交渉するわけ」

「大丈夫かな?捕まって人体実験とかされたりしない?まあ二人がその気になれば捕まるわけないけど」

「それは大丈夫でしょ。地球のシステムも言ってたけど、日本は地球じゃ一番マトモな国ですもの」

「身体を調べさせるってのは?」

「テニアは身体の違いを調べさせるの。遺伝子とかね。見た目地球人と一緒でも別の生物だから、日本が得られるものは多いはずよ。先のことを考えて、不死なのもバラした方がいいわね。うまくいけばずっと日本で暮らせるわ。

わたしの方はマイクロマシンね。ただ、他のシステムも同じマイクロマシンだから、このまま提供すると後々問題が起こるかもしれないのよ。例えば地球のシステムの彼がまた降臨したりして、身体を調べられないとも限らないから」

「ならば別のマイクロマシンか?」

「そう、まったく別のマイクロマシンを渡すの。地球的には高性能でも、システムからするとかなり低レベル、かつわたしたちのマイクロマシンと系統が別のモノ。同系統だと繋がりがバレるかもしれないから。

それを、例えば指一本をそのマイクロマシンにしておいて、切り離して渡す。その方法なら本当は別のマイクロマシンだとは思わないでしょ?」

「なるほどな。言葉はどうする?」

「それはダーリンに協力してもらうね。転移したのがダーリンの家で、わたしたちを保護してくれた。マイクロマシン製のわたしがネットやTVで言葉をあっという間に覚えた。そんな感じで。テニアはしばらく片言のフリしてもらいましょう。これは御神体の設定で可能ね」

「もうすでに買い物とか行ってるだろ。いろんな場所にある監視カメラなんかに映ってるんじゃないのか?調べられたらボロが出るんじゃ?」

「そこは失敗しちゃったわねぇ。でもハッキリと音声まで拾えているのって少ないんじゃないかな?服屋なんかで話していたのは本当はわたしってことでごまかせると思うわ。ごまかせないのはダーリンとテニアが二人で行った時だけね」

「ヒルメイが変身してたことにすればいいんじゃないか?」

「ああ、そうね。そうしましょうか?何故変身してたか理由考えなきゃいけないけど」

「テニアの着替えが無かったからとか?ヒルメイはマイクロマシンだからそれで作れる。ヒルメイはもう言葉が話せるから、テニアになって合うサイズの服を買った。ちと苦しいな。三人で行ってもよかったでしょ?って言われそう」

「もうテニアがあなたを好きだからにした方いいんじゃない?本当のことだし。最初だからわたしが気を使って二人きりで行かせた。」

「そっちの方がよさそうだな。じゃあ転移の時期を実際より少し前ってことにしよう。好きになるにしても何日かたってた方がリアルだろ。あれ二日目だったから」

「二日目でもう好き同士だったけどねー(笑)」

「そうかもだけど(笑) それだと信じてもらえそうにない。それでやるだけやってみるか。最初にどこに行くのかは決めてるのか?」

「やはり交番か警察署かしら?わたしが姿を変えて見せれば、普通の人間で無いのはわかるでしょう?」

「撃たれるかもよ?平気なんだろうけど」

「そうね。地球の武器じゃこの身体は破壊できないわ。たとえ核でも」

「それで信じてくれたとしても、その先にどうなるかはあちらさん次第だな。

しかしよく許可もらえたな?地球のシステム的にはあまり干渉してほしくないんじゃないのか?」

「地球くらい発展してれば、よそからの刺激を与える場合があるって話はしたでしょ?だから大丈夫かもと思ったのよ。そうしたら、最近日本って落ち目じゃない?技術大国って呼ばれる割には。彼はそれが気になってたらしくて丁度良かったみたい。地球に管理システムがあるのがバレなきゃいいよって」

「二人を調べて日本に持ち直してほしいってこと?」

「そうすると世界のバランスが、彼のしたい方向に近くなるんじゃないか?ってことね」

「なるほどね。じゃあやってみますか。その前に御神体の使い方教えてくれ。何か役に立てるかもしれん」

「わかった。もし危ないことになっても、二人は絶対守るから安心して」

「ほんとは俺が守ってやるって言いたいところなんだけどなー」


テニアが回復するのを待って、俺たちは話を詰めていった。


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