第7話



「んーっ・・・・んんっ?」


自分の部屋・・・自分のベッド・・・左手が重い。

ああ、テニアと一緒に寝たんだった。腕枕なんてしたのいつ以来だろう?


因みににまだキスしかしていない。

テニアはとっとと手を出せって感じなのだが、オッサン的には結婚してからにしたい。

そんなの気にする歳でもないのだが、本気の女には手を出しにくいという変なスキルが発動してしまっているのだ。テニア初めてだろうし。

でもテニア、今は涼しいからスウェットだけど、あっちは暑かったから、寝るときマッパだったんだって。

夏場我慢できなくなるかもしれんな、俺。


「んんっ・・・・・・あ・・・・・」

寝顔を見てたら起きた。目が合う。状況がわかって赤くなるテニア。


「おはよ。顔真っ赤だぞ」

「んー!!」

ポカポカ叩いてくるテニア。かわいい。

きょうはもう少しベッドで一緒に過ごそう。



「男性に寝顔見られるなんて初めて。恥ずかしいなーもうっ!」

朝食並べながら言うテニア。

「いいじゃん、相手俺だし」

「そうだけど恥ずかしいのは恥ずかしいのっ!!」

「これから毎日なんですけどぉ(笑)」

「もうっ!そうやっていじわるばかり!やっぱりSね!!」

「そうでーす。でもさ、こうやってるの楽しくない?俺すげー楽しい(笑)」

「いいから食べなさい!もう(苦笑)」

「シミナリーアシミナリーア(笑)」



食後一緒に洗いものしながら聞いてみた。

「そういやシミナリーアがごめんなさいだよね。あの時イヌマデュッテって何回も言ってたけどなんて意味?」

・・・・・・・また真っ赤になった(笑)

「えっとね・・・・・・・・・・・・愛しい人・・・・・・・またからかおうと思ってるでしょお?どうせ一人で乙女こじらせてブツブツ言ってたような変な女ですよーだ!」

「そんなこと思ってないよ。ただかわいいやっちゃなーって思っただけで」

「!!なんで急に真顔でそんなこと言うのよぉ・・・・・」

「思ったんだからしょうがないじゃん」

ますます赤くなるテニア。ホンットかわいいなあ!!

「テニア・・・・ぎゅってしていい?」

「・・・ん・・・・」

抱き着いてくるテニア。抱きしめる俺。

「イツキ・・・・・愛してる・・・・」

「ん、俺も」

「・・・・イツキ?」

「ん?」

「・・・ちゅめたい・・・」

手にスポンジ持ったままだった(笑)



今日は出かけないで家で過ごそうってことになり、音楽かけながらまったり。

「そういやヒルメイさんだっけ?連絡できないの?テレパシーとか?」

「やってみたけど駄目だったの。」

「俺に声が届いた時と何が違うんだろうな?」

「イツキの時はイツキ個人じゃなくって・・・・・・理想の男性・・・・・」

また(笑) 今日は赤くなってばっかだなテニア(笑)

「いちいち思い出して赤くなんなよ(笑) かわいいやっちゃなぁ」

「だって恥ずかしいじゃない!そこまでしてお婿さん探ししてた女とか!!」

「その辺も俺がかわいいって思ってんだからもうよくね?」

「・・・・そうだけどぉ・・・・もう!でもヒルメイ個人に送ってるからあの時より届きやすいと思うんだけどな?ほら、検索条件を個人に固定してるのと同じでしょ?声を聞かせるのと転移とテレパシー、それぞれで何か違うのかなあ?」

「まあ心配しすぎてもしょうがないよ」


その時突然部屋の中に強い光が現れた。

これはテニアの時と同じ?!!

現れたのは髪の長い女性だった。

「ヒルメイ?!!」

「へへー、来ちゃったあ」


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