第2話 勇者登場!

「魔王様!勇者が魔王城の近くにまで迫っています!」 


「なんじゃと!魔王城がどれだけ巧妙に隠されていると思う!?今まで、三百年、ここがバレたことはなかったんじゃぞ!」 


そう、バレるはずがない。なぜなら、ここの魔王城の整備に加えて結界や防御魔法、ジャミング機能などの諸々の設定は私がしている。もし、バレるとしたらここに勇者の聖剣がある場合くらいだ。勇者の聖剣は魂と繋がっているからな。まぁ、あり得ないか。 


「ピュッピュッ~」 


「なぁ、ラングニル」 


「な、なにかな」 


「お前のその持ってる光ってる剣、どこから持ってきた?」


「………」 


「オイ、答えろ」 


「怒らない?」 


「怒らない」 


「ホントのホントに怒らない?」 


「あぁ、怒らない。だから、言ってみろ」  


「えっとぉ、そのぉ~、勇者の聖剣持ってきちゃった」 


そうかそうか、勇者が魔王城にまで来れたのはこれか。なるほどなるほど。 


「何考えてるんだァァ?!ラングニルッッ!」 


「ヒィ!怒らないって言ったのに~」 


「怒るに決まってんだろぉが、すぐにその聖剣を渡せッ!捨てる!」 


「嫌だ!この聖剣を解析して勇者魔法を作るの」


「そんな魔法を作るな!勇者がこっちに来てるんだよ!さっさと渡せ!」 


「い、い~や~だ~」 


   







何でこうなったんだろうか?


「キュ~」


勇者が伸びている。一旦、状況を整理してみよう。勇者がこうなったのは、あの会話の直後……




「い、い~や~だ~」


「くっ!魔法職のお前のどこにこんな力が…」


「助太刀するぞ!フンッ!」


ファルサリアが聖剣を強引に奪った。が、そのせいで聖剣が真上に飛んでいった。その直後


バタン!!


「さぁ、観念しろ魔王よ!この勇者、メルルが貴様を討つ!聖剣を奪ったつもりだろうが甘い!聖剣は魂と共にある!戻ってこい!聖剣エクスカリバァァァー!!」 


スッ(勇者の真上、空中で留まる聖剣) 


ドンッッ(重力×重さ×ナゾパワーで頭に落ちる聖剣)

 

「「「「ぁ」」」」


「キュ~」 





と、言うことになったんだが、頭に聖剣が落ちてきて、気絶ですんでいるのは流石勇者というべか?


「どうしますか?魔王様」


「うむ、とりあえず防具と剣を奪って地下牢に入れるべきじゃろう。」 


「かしこまりました。魔王様」


俺が勇者に触れようとしたその瞬間


バタン!!


「皆さん!勇者がここに来ていると聞いて、助けに来ました!ワワッ、倒れてる人がいる!とりあえずエクストラヒール!」


「ハッ、私は!?」 

 

な ん で こ う な る


















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