魔王軍四天王最弱の俺、魔王様の負け惜しみにより最強の魔王となる
ふわふわちぃずけぇき
第1話 魔王軍四天王最弱の俺、魔王様の負け惜しみにより最強の魔王となる
「は?なんとおっしゃいました?魔王様。」
「いや~なんというか、その、負けてしもうての?でも魔王が負けるって、その、まずいじゃろ?だからの、お主のことを魔王ってことにしてしまったんじゃ。」
なんて謝罪しているのは、僕の上司である魔王様。魔界を束ねる王であり、魔族の頂点に君臨する御方だ。この人はいつもトラブルを起こす。もう少し女王であるという自覚を持ってほしい。
「というか、魔王様言ってましたよね?勇者を魔王城で待つなんてことせずに、最高戦力全員集めて戦えばよくね?我、頭良くね?あ、お主は待機な。四天王最弱だし、なんか魔界にあったら頼むのじゃ!って。」
というか、僕、四天王ですけど魔王城の整備士兼料理担当兼教育係なんですけど?
「いや、それは本当にすまないと思ってるのじゃ。しかしの、魔王軍で唯一表に出ていないのってお主だけじゃったし。」
「まぁ、それはわかりました。魔王様の負け惜しみにより私が、大変、誠に、不服、ですが勇者共に魔王と思われているのは飲み込みましょう。しかしですね、魔王様、貴方はなぜいつも私にこうトラブルを持ってくるんですか?この前だって、龍王にケンカ売って魔界の四分の一吹き飛んだんですよ?あの後、大変だったんですからね。」
あれは、やばかった。ひたすらに謝り倒して俺の料理を月イチで作ることでなんとか許してもらえたが、正直死ぬかと思った。
「だって、あいつ何時も寝てるんだからちょっとくらい、イタズラしたって大丈夫だろって思ったんじゃもん。」
「だってもありません。バツとして魔王様のお食事は1週間ピーマン料理です。」
そんな、ピーマン料理だけは嫌なのじゃ!とかなんとか言ってる魔王様は置いといて問題はコイツラだ。
「おい、お前ら。ちゃんと魔王様のフォローをしろって、私、言いましたよね?魔王騎士団団長ファルサリア、魔王軍魔道士第一席ラングニル、魔王教会筆頭聖女ジャンヌ。」
「まっ!待ってくれ、俺はちゃんと魔王様を守ってたんだぜ!?」
そう言っているのは、ファルサリア。女性でありながら屈強な魔族連中を束ねる鬼人族の騎士団長だが、この人もいつもトラブルを持ってくる。最近起きたトラブルは、森吹き飛ばしちゃった、だ。
「貴方は、バツとして訓練後のデザート抜きです。」
「そんな、私はなんのために日々の訓練を頑張れば良いんだ!?」
魔王様のために頑張れよ。次はコイツだ。
「貴方は何かありますか?ラングニル。」
「えへへっ、ご、ごめんね。」
そう謝るのは、ラングニル。魔法を愛し、魔法に愛されたヴァンパイアで、コイツもいつもトラブルを持ってくる。最近起きたトラブルは、魔王城の城壁溶かしちゃった、だ。
「貴方は、バツとして魔法開発の資金を大幅に減らします。」
「そんな、私から魔法を取ったら死んじゃうよぉ⁉。」
死なねぇよ。最後にコイツ。
「で、貴方もですか?ジャンヌ。」
「は、はいぃぃ、すみませんでしたぁぁ。」
魔王教会の聖女ジャンヌ。もともと、人間側の聖女だったが、毒を盛られて死に、そのままエルダーリッチとなった。彼女の強みは、唯一無二の超広範囲と高威力の回復魔法と補助魔法をかけられるところだが、焦って敵まで効果範囲に入れたり、味方のアンデットを浄化したりとコイツもトラブルを持ってくる。最近だと、悪魔に十字架わたしてた。悪魔より悪魔してるよコイツ。悪魔、発狂してたぞ?
「貴方は、バツとして今すぐに負傷した兵士たちを回復させなさい。全員終わるまで、休憩は無しです。いいですね?」
「はいぃぃ、すぐに終わらせますぅぅ!」
まったく、なんでいつもトラブルばっかり起きるんだ?頭が痛い。
「魔王様!勇者が魔王城の近くにまで迫っていま
す!」
本当に頭が痛い。
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