第6話 ライバルの登場でござる!

 あたくしは、こうして、カムイと一緒に、異世界で行われている聖女討伐戦に向かった。


 カムイは、送り届けてくれただけで、そのまま姿を消した。


 たくさんの属性を持つ聖女の中には、すでにカンナの野郎もいた。


「あら、遅かったではありませんの?」


 カンナの野郎の生意気と思われる言葉をかけられたとしても、そんなことはあたくしは風が当たるかのように痛くない。


「遅くくることが、ヒーローの心得なのでござる!」


「いえ、ヒーローは早く来てこそですわ」


 あたくしと、カンナの喧嘩が始まろうとしていたところに、司会者が現れた。


「聖女候補のみなさん、聖女討伐戦に来ていただき、ありがとうございます!


さっそくのところ、ビキニに着替えております」


「ふざけんなですわ!


ビキニなんて、持ってきておりませんのよ」


「大丈夫です。


ビキニは、こちらの方で用意してあります」


 司会者の方がさし占めす方向に、たくさんのビキニが置いてあった。


 聖女たちが、一斉に駆けつけた。


 あたくしと、カンナも駆けつけたけれど、あたくしのサイズがなかった。


「あたくしのサイズがないでござる」


「あーしのサイズもないですわ、司会者、これはどういうことですの?」


「これは、サイズはAカップからℤカップまで用意してありますが、お二人のサイズは何カップでしょうか?」


 ここで、あたくしとカンナは司会者に文句を言うことにした。


「Aカップか、ありもしないℤカップはあるのに、それより小さいサイズがないって、どういうことですの?」


「Aカップもないあたくしたちは、どうすればいいのでござるか?


まさか、すっぽんぽんで参加してほしいのでござるか?


それなら、脱ぐでござるよ?」


「やめてください。


とにかく、サイズさえわかれば、ちゃんとビキニは用意いたします。


それよりも、Aカップよりも、小さいサイスがあるなんて、あなたたちは何カップでしょうか?」


 あたくしと、カンナはほぼ同時に答えた。


「AAカップでござる!」


「AAAカップですわ!」


 ここで、カンナとあたくしは、再び喧嘩になる。


「どうして、あーしより大きいでござるか?」


「君こそ、この年齢で、このサイズはありえないでござるよ。


発育不良でも、起こしているでござるか?」


「Aすらもない人に、言われたくないですわ!」


「二人とも喧嘩しないでください。


ほら、二人に合う水着も用意しました。


女子更衣室で着替えてください」


 あたくしと、カンナは水着をもらい、女子更衣室で着替えた。


 絶対、カンナには負けない!という闘志を燃やしながら。

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