第5話 自立する方法でござる!

「甘えるなーでござる!」


「今のは、ひどくない?」


 あたくしは、じゃんけんで言う、無敵チョキの形を右手で作り、「水鉄砲」と唱え、右手の人差し指から、水を放ち、お姫様に当てた。


 坊主頭のお姫様は、どこかへ吹っ飛んでしまった。


「やっつけちゃうの?」


「第四王女」

 と、心配するお姫様三人だったが、


「君も、同罪でござるー!」


 と、「水鉄砲」と、お姫様三人を吹っ飛ばした。


「これで、事件解決でござるな」


「最初のお姫様を助けるという、目的はどうしたの?」


 こうして、事件は解決し、あたくしとひさめ君は、無事に家に帰ることができた。



 ある日の学校帰りの出来事。


「君が、鈴木氷雨か?」


 謎の男性が、目の前に現れた。


「誰でござるか?」


「僕は、カムイ。


カンナの甥だ」


「カンナって、火の聖女の?」


「カンナの叔母から、聞いたぞ。


たくさんのことを、やらかしているみたいだな」


「たくさんのことでござるか?


はて?



何を?」


「とぼけても、無駄だ。


カンナから、聞いているんだ」


「カンナの野郎の給食を、食べてしまったことしかないでござるよ」


「それを、やらかしたと言っているんだ!」


「それで、あたくしを、どうするつもりなのでござるか?」


「当ててみるんだ」


「カムイと、カンナが付き合ったという報告で、ござるか?」


「僕とカンナは、甥と叔母だ!


付き合うわけがない!」


 ヒントもなく、これから何をするとか、当てるのはあたくしにはどう考えても無理だ。


 あたくしは天才でもないし、予知能力者でもない。


 考えてみても、答えは出てこない。


「勘違いしてほしくないのは、あたくしはカンナに謝る気はないでござるよ。


カンナが悪いって言ったら、悪いでござる」


「君が、謝ってくれるとか微塵も思ってもいない。


聖女討伐戦があるって話だが、君に優勝してほしくないんだ」


「聖女討伐戦?


そんなもの、あったでござるか?」


「一体何なんだ、この女は?



聖女討伐戦で、誰が真の聖女として選ばれるかの討伐戦があったろ。


その討伐戦を受けるまでは、聖女候補なんだよ」


「何!?」


 そういえば、そんな話があったような、なかったような・・・・。


「どうでもいいから、覚えてなかったでござる」


「どうでもよくないって!


この討伐戦が終わるまで、聖女候補なのであって、聖女じゃないんだ!


甥のひさめには、ちゃんと事情を伝えたのか?」


「あたくしは、聖女として選ばれたと伝えてあるでござる」


「こんなんで、よく聖女候補としても、選ばれたな・・・」

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