カメラ、および写真というものについて語ったお話。
主人公による語りがギュッと詰まった、1,000文字強の掌編です。
ひとつの物語として捉えるとかなり尖っていると思うのですけれど(本当に主人公が語り倒すだけで最初から最後まで駆け抜けている!)、なんだかものすごい力でガーッと読まされました。
気迫というか熱量というか、何か胸にビリビリくるパワーみたいなものが、もう読んでいて本当に心地よくて……。
序盤、カメラというものがとどのつまり一体〝何〟なのか、そのわかりやすい説明がとても好き。
あんまり考えたことなかったけれど確かにそう、と思わされちゃうのと同時に、それ自体がなんだかワクワクしちゃうこの感覚。
もちろんその序盤の土台の上に立つ終盤、叙情的な部分もとても魅力的。
ツールやガジェットに感じるロマンのようなものを、そのまま文字として叩きつけてくれるお話でした。