第3話<リリア>

<リリア>



わたくし、リリア・フィンシュタインは今日、運命の王子様に会いました

わたくしはフィンシュタイン王国の王女でございます

王女だけあって才能、容姿にも恵まれましたが誰一人わたくしをときめく相手は居ませんでした

だって皆さん、へなちょこ何ですもの

でも今日、お母様達に内緒で市に出かけ強盗につかまりかけている時、黒髪の少年が助けてくれたのです!

わたくしと同じ位の年齢でポニーテールにした長い黒髪に切れ長の深紅の瞳、わたくしが見た事ないほどに綺麗で、凛々しくて思わず見とれてしまいましたわ

これぞ運命と言うものかしら?

彼は横の民家の屋根から舞い降り無表情に言い放ったのです



「『消えろ』」



「え?」



わたくしは自分の目を疑いましたわ

目にも見えぬ速さで強盗達が消し炭になり彼は踵を返してわたくしから遠ざかっていきました

え?何でですの?

物語の王子さまはこの後お姫様をパーティーに招待するんではないんですの?

そう思ったわたくしは体が勝手に彼に手を伸ばしておりました



「貴方と、いつ会えるのですか?」



わたくしがややはにかみながら言うと彼は先ほどと変わらない無表情で答えました



「その小さい脳みそで考えろ」

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女だけど乙女ゲームの隠しキャラに転生したので好き勝手に生きようと思う ちーずけーき @04110411

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