第2話 お友達になりなさい
孤高のボッチとは俺の事を言うのだろうか。
俺と凪保。
つまりクラスメイトの誰からも愛されている高峰凪保。
反対に.....クラスメイトから嫌われている俺、山寺空。
簡単に言えば天地の差がある。
「.....」
俺は頭が良くない。
だから頭が切れる事は無い。
絶望的に頭が良く無いので俺は色々と困惑の展開があった。
だけどまあ乗り越えてはきたが。
そう考えながら目の前の黒板を見る。
そしてチョークの音を聞く。
それから俺は頬に拳を当てて頬杖をつき視聴覚室の授業が終わっての授業を受けながら外を見る。
☆
「ねえ」
「.....何だ」
「いつもつまらなさそうな顔をしている君に早速だけどお友達を紹介したいんだけど」
「お前はアホか?俺がそんなのと関わるとでも?何を言っているんだ」
「関わらないとダメ。絶対に関わらせる。強制。貴方は孤独死する」
「いやいや。大袈裟だろ.....しかも強制と来たか」
俺はそんな感じで否定しながらパンを食べていた俺に近付いて来た凪保を見る。
孤独死.....ねぇ。
まあこんなお節介が居る限りはしないとは思うが。
お友達って面倒臭い。
「俺は断る。そんなのに関わらなくてもお前に関わっているだけで胃痛がする」
「またそんな事を言ってから。.....そんな事言ってたら不幸になるよ」
「ならねぇよ」
「なる。だから会って」
そして教室にそのお友達とやらを呼ぶ凪保。
何で俺がそんな事を、と思った。
それから入って来る女子。
その女子は何というかおずおずした感じの柔和な顔立ちの女子だった。
正確に言えばメガネを掛けているおさげ髪の女の子。
予想外だな、と思っていると。
更に予想外の言葉を言い始めた。
「私の従姉妹なの」
「.....は?お前の従姉妹って.....」
「お名前は鶴丸鞠(つるまるまり)ちゃん」
「聞いてねぇよ。何でいきなり説明してんだ」
「聞きなさい」
「.....何で命令形?」
鶴丸ねぇ。
俺はそう思いながら鶴丸を見る。
鶴丸は俺を見ながらビクッとする。
それから厳しい顔の俺におずおずしながらも頭を下げる。
そして顔を上げた。
「.....本気で心配している気持ちが伝わったかな?こうして仲良くなる様に催促しているんだから」
「いや。従姉妹を連れて来られただけでそんな気持ちになる事は無い。と言うか逆にビックリなんだが。いきなり連れて来られた事に」
「本当に口が悪いね。まあ良いけど。いつか天罰が降るだろうしね。.....これは命令。私に嫌な事をされたく無かったら鞠と仲良くなりなさい」
「は?.....お前は何を.....」
「仲良くならなかったら先生に訴える」
「この野郎」
上等じゃねぇか。
鶴丸と仲良くなれって話だな?
その後はどうなっても構わないって事だよな?
そこまで言われてないからな。
なら簡単だ。
鶴丸に好かれたら自然に消滅すれば良いんだ。
何故ならそこまでの契約だから、だ。
俺は仲良くはなれない。
「だから仲良く.....」
「分かった。仲良くする」
「え?」
「.....何だその拍子抜けした顔は。お前が言い出したんだからな」
「い、いや。そんな簡単に納得するとは思わなかったから.....逆に拍子抜け」
「失礼だが俺は女を悲しませる主義はないんでね。.....どんな形であってもな。だからそういう約束は守る」
その言葉に何故か赤面した凪保。
そして同じ様に赤面する鶴丸。
何だコイツら、と思いながら2人を、?、を浮かべて見る。
すると凪保はハッとした様にしてから。
じゃ、じゃあ早速だけど、と胸を張って切り出した。
「鞠と一緒にお弁当タイム」
「早速って冗談だろ。お前」
「何?嫌なの?逃げるの?へへん」
「ほう?逃げるとか言ってないぞ。.....上等だ。そこまで煽ったからにはそれなりに覚悟は出来ているんだろうな?」
「.....ふぁ?え.....え?」
「.....恥ずかしい事も平然とするぞ俺は。公衆の面前だろうが」
「え.....」
真っ赤になって潤んだ目で反応する凪保。
俺はニヤッとしながら凪保を見る。
そして机が寄せられ.....そのまま昼飯タイムになった。
さてどう恥ずかしくしてやろうか、と思う。
日頃のお返しだな。
「は、恥ずかしい事って何をする気」
「間接キスでも何でもするぞ」
「.....そ、そんな手には乗らないし。ふ、ふへへ.....」
「.....?」
モジモジする凪保。
いや何故?何で満更でもない顔をしている?
俺は考えながら凪保を見るが。
答えは出なかった。
3年の花束を。〜高嶺の花と孤高のボッチと〜 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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