第5話 婚姻届
もうすぐ高校を卒業する玲依は、卒業の準備で忙しく、卒業後のことが楽しみで仕方がない状態だ。玲依の彼女、美波は昨年度に高校を卒業して、本などの出版会社に就職した。
そして、とうとう卒業式の日がやってきた。この学校とお別れの日だ。高校に入学してから一瞬で卒業してしまった。卒業式が終わり、友達と話していると、彼女がやってきた。花束を持ってきてくれた。彼女が来た時は、嬉しくて嬉しくてみんながいる前で、思いっきり彼女を抱きしめた。周りの人たちは、ヒューヒュー言っている人もいれば、キャーキャー言っている人もいた。とにかく、この場は大盛りあがり。恥ずかしかったが、そのまま1日を終えた。
次の日からは、友達とカラオケに行ったり、ゲームセンターに行ったりといろいろなところに行って遊んだ。お金はどんどん減っていくが、友達遊ぶのも最後になると思ったので、気にはしなかった。玲依の彼女、美波ともボーリングなど色々なところに遊びに行った。とても楽しく、充実した日が続いていった。それが続いたのは2週間だけだった。2週間が経つと、バイトのシフトが入っている。
バイト先に行くと、店長が近づいてきて
「玲依くん。先日は大丈夫だったかね?ホントに君のことを守れなくてごめんね。これじゃ、店長として失格だね。」
店長が心配してくれたが、反省もしていた。
「いえいえ、そんなことないですよ。店長失格だなんて言わないでくださいよ。僕は店の為にやったので。」
と、玲依は店長を励ましてあげた。玲依はその後、店の準備をした。もう、強盗は来なくなったので、平和な日が続いた。
時は経て1年が経った頃、玲依はあることを
決心した。玲依は美波の実家に来た。
「お邪魔します。」
「いらっしゃい。」
快く歓迎してくれた。リビングにあるソファに座り玲依は言葉を放った。
「この度、美波さんとお付き合いさせていただいてます!鈴成玲依と申します。よろしくお願いします。」
「美波の父の信昭です。よろしく。」
「母の美幸です。よろしくね。」
先に自分の名を名乗った。
「僕は美波さんと結婚をしたいです。お義父さん、お義母さん、美波さんとご結婚をしてもよろしいでしょうか?」
「え?結婚?私と結婚?うれしいわ!」
美波はすごく驚いて、すごく喜んでいた。
「結婚か・・・。美波はいいのか?」
義父が美波に聞く。
「うん!もちろん!結婚したい!」
「それならいいんじゃないか?しかし、条件がある。」
結婚を許してくれたことは嬉しかったが、条件があった。つばをごくりと飲み込み、よく聞いた。
「絶対に美波を幸せにすることと、2人とも無理をしないことだ。」
「はい!わかりました!絶対美波さんを幸せにすると共に、無理せずに生活していきたいと思います。」
「ああ、いつでも私達を頼ってくれ。」
結婚の話が終わってからも、色々と話した。少しずつ緊張がほぐれて行き、少し仲良くなった気がした。
義実家からの帰り道。玲依は改めてプロポーズをした。
「美波。改めて、俺と結婚してください!」
そう言いながら、指輪が入った箱を差し出し、蓋を開いた。
「え?指輪?うれしー!結婚しようね!」
プロポーズは見事に成功し、2人はラブラブしながら、帰って行った。玲依は思いついたかのように、言い出した。
「ねえ、美波。一緒に住まない?いわゆる、同棲ってやつ。」
「え?ど、同棲?いいけど。」
一瞬動揺して困っていたが、承諾してくれた。
「じゃあ、荷物をまとめて家来てね。来るのはいつでもいいから!」
話はトントン拍子に進み、本当に同棲生活をすることになった。
2週間後、美波から連絡がきた。
『今から、引っ越し業者に頼んで、玲依くんの家向かうね。』
嬉しすぎて、興奮が止まらない。2LDKのアパートを借りていたので、1つ部屋が余っていた。友達が泊まりに来た時用の部屋だった。あまり使ってなく、ホコリが溜まっていたので、掃除をしておいた。玲依はワクワクしている。すると、インターホンが鳴った。
『引っ越しセンターでーす。』
急いでドアを開けると、美波の物が運ばれて来た。まだ美波は到着していなかったので、とりあえず適当に置いてもらった。美波が来てから好きな場所に置けば良いと思ったのだ。引越し業者が荷物を運び終えたので、帰って行った。業者が帰ってからすぐにインターホンが鳴った。ドアを開けると、そこには美波がいた。家の中に入れて、物を好きな場所に移動した。玲依は、これから一緒に住むのか、と妄想をしていた。荷物の移動が終わると、家を紹介した。
同棲生活に慣れて来た頃、玲依が美波をダイニングの机に呼んだ。
「そろそろ、結婚したいなって思って。」
と言いながら、婚姻届けを差し出した。
「そうだね〜。この時を待ってたわ。」
嬉しそうに答えた。婚姻届にそれぞれの名前を書き、翌日役所に提出した。そして、美波は玲依のみょう字に変えるための書類と住所変更の書類を提出した。
恋から一生 @kira_story_36
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。恋から一生の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます