第2話  1人暮らし

 玲依は中学校を卒業し、高等学校に入学した。玲依は入学式を終え、1年3組の教室で自分の席に座っていた。周りを見ると、仲良く話している人たちがたくさんいる。玲依は、この時初めて知り、驚いたことがあった。教室の一番端っこに隆弘が隆弘がいるのだ。隆弘からは、玲依と違う高等学校に行ったと聞いていた。その隆弘が、今、玲依と同じ教室の端っこにいるのだ。同じクラス。隆弘がいることには驚いたが、また同じクラスになれて良かったと玲依は思った。隆弘を見ていると、隆弘がこちらに気がついた。目が合ったので、隆弘のもとへ行こうとした時、担任の先生がやってきた。

「はい、皆さん席に着いてください。まずは改めまして、ご入学おめでとうございます。これから、先生から自己紹介していきます。」

先生はそう言い、自己紹介が始まった。

「新しくこのクラスの担任になりました。鹿野喜美恵です。1年間よろしくお願いします。私は、数学科を担当しています。何か質問はありますか。なければ、生徒の自己紹介に移ります。それでは出席番号順にお願いします。」

玲依の出席番号は、27番。自分の番はまだまだだがとても緊張する。もうすぐ自分の番だ。自分の番が来たので立った。

「はじめまして、鈴成玲依です。数学が得意です。1年間よろしくお願いします。」

玲依が自己紹介した後、大きな拍手をしてくれた。その後、自己紹介は進んでいき、隆弘の番がやってきた。

「はじめまして、鹿宮隆弘です。勉強はそんなに得意ではありません。しかし、数学は好きです。よろしくお願いします。」

隆弘で1年3組の自己紹介が終了した。少し、クラスの人と話してから下校した。隆弘と家の方面が同じなので、一緒に電車で帰った。6年間ずっと一緒に登下校するのは嫌ではない。

 次の日、部活動見学があり隆弘と一緒に見学した。部活動にはいることは強制ではないので、玲依は入らないことにした。隆弘は、中学でバスケ部に入っていたので、高校でもバスケ部に入るそうだ。玲依はバイトをすることにした。駅の近くにスーパーマーケットがあるので、今度面接に行くことにした。1ヶ月後、玲依は例のスーパーマーケットで面接をすることが決まった。面接ではどんなことを聞かれるのだろうか、どんなことを話せば良いのか、心配だったのでインターネットで調べて練習した。面接当日、玲依はスーツを着て、スーパーマーケットに向かった。スーパーは賑やかだ。昼間でもお客さんがたくさん買い物に来ていた。玲依はスーパーの事務所に着いた。ノックしドアを開けると、スーツを来た人が2人いる。失礼します、と言い部屋に入った。椅子に座り、面接が始まった。まず、自分の名前と通っている高等学校の名前を答えた。そして、自分の長所と短所を聞かれた。

「自分の長所は、明るくて、フレンドリーなところです。短所は、短気なことやすぐに諦めてしまうところです。些細なことですぐに切れてしまったりします。すぐに物事を諦めてしまいますが、頑張って諦めないように努力しています。」

次に仕事ができる時間帯を聞かれた。平日は18時から20時、休日は開店時から17時、日曜日は休みたいと言った。この日の面接は終わり、帰宅した。

 家に帰ると、玲依はお母さんの元へ行った。

「お母さん、俺1人暮らししたい。お金はバイトで稼いだのを使う。いい?」

「え?1人暮らし?急にどうしたの?」

玲依は家に帰る途中、不動産屋の前を通った。その時、掲示されていた物件に目がついた。駅から徒歩1分の場所にあるアパートだ。1LKの部屋だ。家賃もそんなに高くはなかった。この張り紙をみて、1人暮らしをしたいと思ったのだ。

「しょうがないわね、いいわよ。そのかわりきちんと家賃とか光熱費払うんだよ?分かった?」

「うん!わかった!ありがとう!でも、今すぐじゃないよ。バイトである程度稼いでからが良いと思っているんだ。」

「あら、計画してるのね。偉いじゃない。でも、その物件なくなっちゃうんじゃないの?大丈夫?」

お母さんにそう言われ、玲依は迷った。すると、

「お母さん、最初のお金は出してあげるよ?今あるうちに借りておかないと。」

「え?いいの?ありがとー。」

「じゃあ、明日不動産屋に行こうね。」

翌日不動産屋に行くことが決まり、玲依はテンションが上がった。

 翌日、玲依とお母さんは渡辺不動産屋にやって来た。まだ、昨日の物件は残っていた。

「あのー、ここのアパート借りたいのですが、空いてますか?」

お母さんの質問に不動産の人は、

「はい、空いてますよ。ソファに座って、間取りとか見ますか?」

「はい、そうします。」

玲依とお母さんは、ソファに座り間取りや物件の詳細を目に通した。やはり、良い物件だ。

「すいません、このアパート借りたいです。」

「よろしいですか。それでは、手続きの書類に記入をお願いします。」

不動産屋の渡辺という人は丁寧に紹介してくれた。書類を書き終えると、

「あ、息子さんですか、アパート借りるのは。」

「はい、そうなんです。」

「あら、そうでしたか。高校生ですか?」

「はい、今年入学したんですよ。」

お母さんと渡辺さんは楽しそうに話している。数時間後、処理が終わり、アパートに行くことになった。アパートに着くと、外見は築20年という感じで、そんなにボロボロではない。鍵を開け中に入ると、綺麗な部屋が構えていた。

「おわー、綺麗だ。」

お母さんも、

「本当ねぇ、ほんとに綺麗だわ。ここのアパートにして良かったわね。」

1週間後に引っ越すことが決まり、ワクワクしている。

 帰宅し、玲依は自分の部屋に行き、ゴミを分別し部屋の片付けをした。明日から、荷作りをする予定。楽しみで仕方がない。次の日に学校行ったら、すぐに仲の良い友達に自慢した。みんな羨ましそうにしていた。

 1週間が経ち、引っ越しの日がやって来た。お母さんの車にたくさんの荷物を乗せた。お母さんは大きい車に乗っているので、荷物がたくさん入る。無事、全ての荷物を運び終えることができ、新生活の幕を開いた。まだ、家電がないので日曜日に買いに行く予定だ。

 日曜日になり、家電屋さんにやってきた。まずは、冷蔵庫と洗濯機を購入した。他の家具はお金を貯めてから買う。電子レンジとキッチンコンロは中古で購入した。扇風機は、実家にたくさんあったので、1つ貰ってきた。

 1ヶ月が経ち、1人暮らしは充実している。放課後や休日に自分の家に呼んで遊んだりした。テレビも購入したので、テレビゲームで遊ぶことができた。

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