恋から一生

@kira_story_36

第1話  中学卒業

 中学3年生になって、4ヶ月が経った7月。来週から夏休み。もうすぐ受験。受験のことを考えなければいけない夏休み。中学3年生は大変だ。今日は、月曜日だから学校に登校する日だ。いつも友人の隆弘と待ち合わせして、登校する。今日も待ち合わせ場所に行くと、隆弘が待っていた。

「おはよう!」

「おう、おはよう。今日は俺が先だったな。」

横断歩道のボタンを押して、信号を待っている。今日はどんな話しようかな。いつもこの時に考えている。決まった。横断歩道の信号が青に変わり、歩き始めた。2人が横断歩道を渡り切ったと同時に、

『ねえ!』

「あ、ごめん。」

「先いいよ。」

玲依は先に聞き手になる。譲ったのだ。隆弘が話し始めた。

「俺昨日な、買い物について行ったんだけど、行く途中で事故してる車がいてさ、超渋滞してて店に着いた時には、もう真っ暗だったんだよ。家に着いたのなんか7時半でさ、ゲームする時間が減っちまったよ。」

「そうなの?最近事故多いね〜。」

今度は玲依が話す番だ。

「俺ね、最近ね、勉強が大変でさ、昨日も言ったじゃん?昨日の夜なんか、家庭教師が来てさ、数学と理科やったんだけど、まじで難しくてさ。もう、大変だったよ。今日なんか、宿題が出てそれやんなきゃいけないんだよね〜。まじ最悪。」

「お前も大変だなー。俺なんか学校からの宿題で大変だよなぁ。」

 この日は終わり、月日は流れ1学期の終業式がやってきた。無事終わり、学級で通知表が配られる。玲依の出席番号は17番。通知表は、次々と渡されていき、玲依の番がやってきた。先生に一言もらい、ありがとうございます、と言い受け取った。通知表を開くと、

「え?うそ。え、嘘だぁ。嘘だろ?まじか。。。」

この驚き方は、良くない成績なのだろうか。もちろん、この成績は受験に繋がる。さて、一体どうだっただろうか。

 下校も一緒に隆弘と帰る。やはり、成績の話題になる。

「なぁ、玲依。どうだった?成績。」

「えー俺?う^ん。良かったかな〜。社会以外全部5だった。社会は4だった。」

「え?まじ?すごくね。ほぼオール5じゃん。もう少しじゃん。惜しかったな。俺なんか、数学以外全部3で、数学は4だったんだ。2年のときよりは良かったけど。」

玲依の成績は良かったようだ。隆弘と別れ帰宅した。家にはお母さんが、部屋の片付けをしていた。

「ただいま。」

「あら、おかえりなさい。通知表渡された?お母さん見るから。テーブルに置いてもらえる?」

お母さんは、成績に関して何も言わない。褒めてくれるだけ。でも、もう3年生。玲依は部屋へ行き、カバンから課題を取り出し見つめる。課題は、5教科だけでそれぞれワークから指定されたページをやるだけだが、そこそこ多く出された。

 一方、お母さんは玲依の成績が書かれた通知表を見ている。成績が良かったので、お母さんも嬉しがっている。お母さんは、玲依にプレゼントを買うようだ。買い出しにでかけた。玲依は、まず家庭教師から出された宿題を終わらせようと、手を付けた。1時間が経った頃、隆弘から電話が掛かってきた。

「もしもし、玲依。今から遊べない?」

「ごめん。課題やってるから遊べない。」

課題に取り組んでいるので断った。

 月日を経て、夏休みは終わり、中学校で最後の体育祭。団は、4組に分かれており、玲依は黄団で優勝した。そして、次は定期テスト。1日目は、数学と英語と社会だ。数学と英語は80点以上を取れるが、社会だけが苦手でいつも60点代だ。2日目は、理科と国語と技術科。理科と国語も80点以上取れる教科だ。技術科は、授業で使用した道具の名称を答える問題。

 テスト返しの日がやってきた。まずは、数学で92点。次に、理科で87点。そして、国語は93点で、英語は91点。最後に一番苦手な社会。やはり、63点だった。社会だけ前回より点数が下がってしまった。

 学校からの帰り道、1人で歩いていると、隆弘が走ってやってきた。どうせ、テストのことだと玲依は思った。

「なあ、玲依。テストの点数どーだった?俺は、数学58点でさ、国語46点、英語が54点、理科25点、社会37点だったんだよー。やばくね?」

予想的中。やっぱりそうだった。

「えー?やっば!逆にすげぇーなぁ。俺はね、―――――――――――――――。」

家に帰り、部屋にカバンを置いて、テストを取り出した。早速、お母さんに見せるのだ。

「お母さん、テスト帰ってきたから、テーブルの上に置いておくね。」

 もうすぐ、受験だ。玲依は、県立の宮白高等学校を受験する。受験にむけて、勉強を頑張っている。

 冬休みに入り、12月31日。今年最後の1日になる。この日は、1日中部屋の片付けなど家の大掃除をした。

 夜になり、神社に出かける準備をし始めた。夜が明け、年と日が変わった。神社に着き、合格祈願のお守りを購入した。そして、お参りもした。

 1月11日、冬休みが終わり3学期の始業式の日。今日も隆弘と待ち合わせをしている。今日は玲依が先に集合場所に到着した。外は寒い。防寒対策をしてきて良かった。隆弘が見えたので手を挙げ、おはよっ!、と言い出発した。教室に入り、課題提出をやっていた。もちろん玲依は課題を終わらせてある。しっかりと提出した。

 月日は流れ、2月21日の今日は受験の日。今まで頑張ってきた勉強をここで発揮する。入試テストは終了し、合否発表を待つだけ。とても緊張する。そして、3月3日、入試合格発表日。結果は、インターネットから見ることができる。自分の受験番号を入力し、ログインした。なんと、宮白高等学校に合格した。玲依はお母さんのところへ行き、

「ねえ!お母さん!合格したよ!ほら!」

合格と書いてある画面をお母さんに見せた。

「あら、良かったじゃない!今日は、玲依が食べたいもの食べに行くわよ!」

お母さんは喜んでくれた。そして、隆弘に電話した。

「なあ、隆弘。俺、宮白高校合格したよ!今、結果のサイト見たら、合格って書いてある。良かった―、まじで。」

「良かったじゃん。おめでとう!」

「ありがとう。」

合格したので、提出書類が届くのを待っている。数日後、宮白高校から書類が届いた。入学手続きの書類を書く。入学に合意する書類、個人情報の登録に関する書類を次々と書いていく。後日、宮白高等学校に記入済みの入学手続きの書類を郵送した。

 受験が終わり、卒業式がやってきた。今日でこの中学校、先生、クラスメイトたちとお別れ。クラスメイトの中には、玲依と一緒の高校に行く人はたくさんいる。だから、また一緒に高校生活を送ることができる。卒業式が開式し、生徒代表の言葉、PTA会長からの言葉があり、お祝いの言葉をたくさん頂いた。そして、校長先生からの言葉。話は長いけれど、最後に聞く話だと思うと、今までの話が蘇ってくる。また、先輩たちと過ごした日々、後輩たちと過ごした日々、一緒にプレーした部活の仲間、そして、授業をしてくれた先生方、今までの思い出が溢れ出てくる。玲依は1粒、2粒と涙を流した。この学校から離れたくないのだろう。そして、校長先生の話にも感動して涙が滲み出る。周りにも涙を流してる人がたくさんいる。みんなとの思い出は忘れない。忘れたくない。忘れられない。

 卒業式は閉式し、門出式が行われた。後輩たちが周りを囲い、拍手で見送ってくれた。中には、

「先輩!第2ボタンください!!」

と、第2ボタンを求めている人が数人いた。これも、先輩との思い出の証なのだろう。泣いている後輩もいた。先生も大泣き。卒業生にも号泣している子はたくさん。鳴き声が校庭に響いている。

 これで、中学校生活の幕を閉じた。みんなで記念写真を撮ったりした。後輩や先生、両親を交えて中学校最後の写真。

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