4/20 怖いユニコーン

「昨日の夜三回も目が覚めちゃたわ」

「あらやだ、私もそう」

「私なんか五回よ! とか言ってあなたまたマウント取ろうとするんでしょう」

「ふふふよく分かったわね。くやしいわ」

「何十年腐れ縁やってると思ってるの。その位お見通しよ」

「そうね今後はもう少し巧妙にやることにするわ。で、どうしたの幽霊でも見たの?」

「幽霊なんかもうあなた見飽きたわよ。わたしが見たのはユニコーンよ」

「ユニコーン!・・・って何だったかしら」

「あらやだあなた知らないのユニコーン?」

「もちろん知ってるわよ。ユニのコーンでしょ。苦くておいしいわねあれ」

「あなた・・・中途半端に合ってるからコメントがしづらいわ」

「どっからでも突っ込んでちょうだい。はいどうぞ」

「いやだわほんと、あなた昔からそうだもの。とりあえず今昼間よ。・・・止めて」

「今はもうそういう時代じゃないの。隣の子はもっとあけすけな話をしていたわ」

「あなた盗み聞きしてたのね。もうほんとそういう所、昔から変わらない」

「物心ついた時から、ありとあらゆることを聞いていたわ。そのお陰で出世して今に至るよ」

「そうね女学生の頃はいろいろ助けて頂いて」

「あなたが結婚する時もよ。友達のよしみで興信所並みの働きをさせて頂いたわ」

「もう名前田中興信所に改名したら?」

「株式会社で検討しているからもうだめよ。私前株の方が好きなの。・・・あ、これそういう意味じゃないから念のため」

「ちょっどういうことよ・・・なにを想像したと思ってるの。あの、あ、わたしあなたほど想像力豊かじゃないわよ」

「はいもう想像したわね。頭の中でリアルタイムに想像してないとそのコメントは出ないわよ!」

「ああもういや、冤罪よこれ」

「冤罪と言っても私そういう言い訳聞き飽きてるのよ、うふふふふふ」

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