第24話 決意

 私は、自分の進路について、今の状況の事をゆっくり考えてみることにした。



「発達障害で、今は、障害者手帳を取る事が決まって、進路は、学校卒業目標にして……。」



 ふと、担任の先生は、今まで、発達障害の子と接してきたことがあるはずだ。



 その子たちは、進路はどうしたのだろう?



 不思議に思い、お昼休みに、先生のところに行く。



「先生。今まで発達障害の子って居ましたか?」



「いっぱい居たよ。」



 あぁ、考えていたことは当たっていた。



「じゃあ、その人達の進路ってどうなったんですか?」



 緊張しながら、返事を待つ。



「そういう子達は、全員障害者雇用の職業訓練学校に行ったよ。」



 え…………。全員?



「そうなんですね、ありがとうございます。」



 内心驚いた。



 まさか全員そういうところに行くとは思わなかったからだ。



 私は、話終わったので、教室に戻った。



 どうしたらいいんだろう。



 また、分からなくなる。



 自分の進路が。



 これから、本格的に障害者として生きることに対して自信が持てずにいた。



【人と違う人生歩めるんよ!?羨ましいじゃんか!!!!】



 すけさんに言われた言葉を思い出した。



 あ………。そうだ。私は、皆と違う人生を歩めるんだ。



「……。違う人生歩むのも、ある意味いいかもしれないなぁ。」



 苦笑しつつ、前向きに捉える事にした。



「誰か1人にでも、かっこいい、羨ましいって思われたんだから、良いことだな。」



 障害を持って産まれて来て、かっこいい、羨ましいなんて言われたのは、これが最初で最後だろう。



「ふふっ。障害者も悪くないね。」



 笑いながら、呟く。



 私は、中々自分の障害に対して、前向きに捉えられなかった。



 それは、自分に対して何処か、自分は駄目な奴と、暗示を掛けていたせいだろう。



 それが、今日すけさんの言葉によって、解かれた。



 私は私でいることの意味を、初めて少しだけ分かった気がした。



 やっと、自分らしくいられる。



 私は、その事がとても誇らしく感じられた。



「自分は、誰かに羨ましいって思ってもらえた存在なんだ。」



やっと自信が持てた。



 ずっと無かった自信。



 自分の中でとある想いが固まった。



『障害者として、羨ましいと思われる存在になりたい。』



 この想いは消えることは無いだろう。



 すけさんから言われた、「障害者ってかっこいいし、人と違う人生歩めるんだよ、羨ましいじゃん!!!」この言葉を覚えている限り。






 







 

 





 

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